トゥガナン村

デサ・トゥガナンDesa Tenganan

閉店・移転、情報の修正などの報告

天然の蔓草で作られたハンドクラフトの「アタ製品」の産地として有名な村。村の中も散歩してみましょう。

アパ・カバール、バリ島ナビです!バリ・ヒンドゥー教を信仰するバリ島民ですが、元を辿るとジャワ島のマジャパヒト王国に辿りつきます。「じゃあ元々バリに住んでいた人たちは?」というと、もちろんいます。「バリ・アガ」と呼ばれるバリに元々住んでいた人々はアミニズムを信仰し、独特の文化を持ち、マジャパヒト王国がバリに侵攻してきた際には元々住んでいた場所を離れ、バリのいくつかの場所に居を移し、今も彼らの独特の文化や風習を守りながら生きているのです。そんな「バリ・アガ」の村はバリ島内にいくつかあるのですが、その中でも特に有名な「トゥガナン村」を今日はご紹介していきましょう!

アクセス

バリ島東部に位置する「トゥガナン」は、南部からバイパス・イダ・バグース・マントラを通り約1時間の道のり。チャンディダサの街の手前から山に向かって入った場所にあります。またウブド方面からでも、旧道を通りアムラプラの街を通過してアクセスすることができます。

村のつくり

この看板が目印

この看板が目印

さぁ、トゥガナン村にやってきました~!村の入口前の駐車場周辺には、工芸品のアタや織物を販売するショップがズラ~っと軒を並べます。じつはここ、バリ雑貨のバイヤーさんも多く訪れる場所で、南部の観光地で買うよりもアタが安く手に入るので、村の中に入らないでもこの駐車場周辺のショップで買い物をするためだけにやって来る人も多いんですよ!かくいうナビも時々ここまで買い物にやってきます。
ここで記帳して入場料としてドネーションを支払います。

ここで記帳して入場料としてドネーションを支払います。

さぁ、早速中へ。

さぁ、早速中へ。

さぁ、それでは早速「トゥガナン」の村の中へ入っていきましょう!石塀で囲まれた村の敷地内に足を踏み入れると、南部のバリとは全く異なった景色が目の前に広がります。広々とした広場の様な通路の真ん中には村の奥までいくつもの建物が立ち並び、その両脇に石敷きの道路があり、さらにその脇に民家が並んでいます。真ん中に立つ建物は村の公共の施設なのですが、独特の文化を持つ「バリ・アガの村」だけあって、ナビもパッと見て用途が分かるものとそうでないものが。
まず門をくぐって左側へ進むとある寺院が「バタン・チャギ」、氏族のお寺です。そして右へ向かって最初に出てくるのが「バレ・アグン」と言うバンジャールの構成員(結婚した男女)がウパチャラ(儀式)などで利用する場所になり、ここには「トゥガナン村」の財産とも言える重要な文献や祭儀用の品々なども収められています。そしてどんどん村の奥に向かって進んでいくと、「バレ・アグン」の様な建物が出てくるのですが、これらは「バレ・プトゥム」という、トゥルノ(青年団)が利用するバレになります。それ以外にもバリ・ヒンドゥー教とは明らかに異なった趣の寺院や建物が、この村の中央に列を成します。
バレ・アグン

バレ・アグン

独特の風貌の「グドン・サリ寺院」

独特の風貌の「グドン・サリ寺院」

バレ・プトゥム

バレ・プトゥム

ドゥルン・スワルガ寺院

ドゥルン・スワルガ寺院

村の集会場・ワンティラン

村の集会場・ワンティラン

この村の中心に当たる集落は「トゥンガー(真ん中)」と呼ばれ、その右側に「パンデ」、そして左側に「ダウー」という集落があります。「パンデ」とは刀鍛冶を意味し、元々刀鍛冶が住んでいたエリア。しかしこのパンデたちは本来トゥガナンのバリ・アガではなく、余所からやって来た人々で、村の構成員には数えられません。また、「トゥガナンの人々は村外の人間と結婚すると村には住むことを許されず、追放される」とよく言われるのですが、実際のところは追放はされないとのこと。村のエリアに住むことは許されますが、「クラマ・デサ」と呼ばれる村組織に入ることはできず、様々な義務から解放されるだけでなく、権利もなくしてしまいます。
ワンティランを過ぎてさらに奥へ向かうと、土壁の門が現れます。この門を進み、石畳の通路を進んでいくと、大きな菩提樹の木を中心に、いくつかのお寺が。
プセー寺院

プセー寺院

アニャール寺院

アニャール寺院

ディアサンティ寺院

ディアサンティ寺院

トゥガナン村の歴史

村の僧侶マンク・ウィディア氏

村の僧侶マンク・ウィディア氏

村の作りや建物を見るだけでも独特の風習が見て取れますが、儀式や慣例も同じく独特。ナビもバリアガの村に関心があり、時間がある時はトゥガナンやそれ以外のバリ・アガの村の儀式などを見に出かけたりしているのですが、村の人に「今やっているのは何?」とか、「これはどういう意味?」とか聞いても、「知らない、元々そう決まってるからやってるだけよ~」と言われることの方が多く(バリ・アガの村だけではなくバリでは正確な情報を収集するのはとても大変!)、足を運ぶ回数が増えるに連れてどんどん溜まってきた疑問を、村の僧侶マンク・ウィディア氏にぶつけてみました。
就実大学人文科学部総合歴史学科の山川基教授

就実大学人文科学部総合歴史学科の山川基教授

と、ところが!いろいろ聞きたいことを順番にぶつけてみると、「それはわからない」という返事も多く、よくよく伺ってみたところ、「1841年にこの村で火災が起き、村の重要文書を納めてあるバレ・アグンが燃えてしまったんだよ。全く分からないワケではないが、詳細が分からないこともあるんだよ」と。とはいえトゥガナンに足を運ぶ度にマンクーとお話しをさせていただき、そうやって通っているうちに10年にわたりトゥガナン村の研究をなさっている就実大学人文科学部総合歴史学科の山川基教授ともお会いすることができ、少しずつトゥガナンの歴史について分かってきました。

先に触れたように、「バリ・アガ」の人々は本来別の土地に暮らしていたのですが、ジャワからマジャパヒット王国がバリに入って来ると共に、彼らとの交わりを避けるため、バリの山奥深くに移り住みました。現在「トゥガナン村」に住むバリ・アガの人々は、本来はウブド近郊のブドゥルからやって来たと言われています。そして、この「トゥガナン」の村が現在の場所になったのには村に伝わる伝説があるそうです。

その昔、ブドゥルの王様がかわいがっていた馬が突然姿を消しました。たいそう悲しんだ王は国中の者に「生きていても死んでいてもよいから、私の愛馬を探し出してくれ。探し出した者には褒美をとらす」といい、愛馬の行方を探していました。そして王の愛馬が現在のトゥガナン村の場所で死んでいるのを発見した青年は、王にそれを報告し、「褒美として、この馬の匂いが届く範囲の土地をいただきたい」と申し出たのです。王はそれを認め、青年と王の家来が馬の匂いがどこまで届くか見極めに行くのですが、どこまで行っても馬の匂いがきえることはありません。なぜなら青年は予めポケットに馬の肉を入れておいたから。進んでも進んでも馬の臭いがし、最後には王が「勘弁してくれ」と言い、現在の「トゥガナン村」の土地が与えられたと伝えられているそうです。

トゥガナン村のお祭り

元々アミニズムを信仰していた「トゥガナン村」ですが、長い年月をかけて、マジャパヒト王国が持ち込んだバリ・ヒンドゥー教の影響も受け、その形は少しずつ変化してきました。とは言え「トゥガナン村」で行われる数々の儀式はバリの他のエリアでは見ることのできない独特のものばかり。
特に有名なのはノコギリの様に尖ったパンダンの葉を手に持ち、相手と戦う儀式「ムカレ・カレ」。 特に有名なのはノコギリの様に尖ったパンダンの葉を手に持ち、相手と戦う儀式「ムカレ・カレ」。

特に有名なのはノコギリの様に尖ったパンダンの葉を手に持ち、相手と戦う儀式「ムカレ・カレ」。

その他の儀式も他では見ることができない独特のものばかり。 その他の儀式も他では見ることができない独特のものばかり。 その他の儀式も他では見ることができない独特のものばかり。

その他の儀式も他では見ることができない独特のものばかり。

トゥガナン村の伝統工芸

「トゥガナン村」を代表する伝統工芸といえば、バリを代表する伝統工芸品のあれです!そう、「アタ」。このアタ製品は元々「ムカレカレ」の儀式で使われていた盾を雑貨にしたのがきっかけとなり、今ではバリを訪れる旅行者にも人気のアイテム。
また、「グリンシン」と呼ばれるダブル・イカットはトゥガナン独特のモチーフで、布には邪悪なものから身を守る聖なる力が宿るとされています。
それ以外にもロンタルの葉に書かれた絵画やカレンダー、エッグ・ペインティングも。 それ以外にもロンタルの葉に書かれた絵画やカレンダー、エッグ・ペインティングも。 それ以外にもロンタルの葉に書かれた絵画やカレンダー、エッグ・ペインティングも。

それ以外にもロンタルの葉に書かれた絵画やカレンダー、エッグ・ペインティングも。


いろいろと「トゥガナン村」についてご紹介してきましたが、こういった独特の文化や風習抜きにしても、ナビはトゥガナンの素朴な村がとても好きです。普段は人気が少なく静かな村で、午後の暑い時間は子供も大人も水牛も、みんなバレでのんびり昼寝をしたり。また自然と共存する村の人々の暮らしもとてもシンプルでナチュラル。家も土や石、そして山で既に枯れ果てた古木を使い、食事もここで取れる野菜や山菜を使って。「トゥガナン」に足を運ぶ度に、自分まで清々しくリフレッシュできるよう。村には様々な慣習や規則などもあり、それもまたとても変わったもので、そんな話しや他のバリ・アガの村の話など、まだまだお話ししたいことはたくさんあるのですが、それはまたの機会に。他のエリアとは異なった村の雰囲気を感じに、是非「トゥガナン」へ足を運んでみてくださいね。以上バリ島ナビでした、サンパイ・ジュンパ~!

記事登録日:2011-09-28

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関連タグ: 伝統村 アタ

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2009-04-03

スポット更新日:2010-11-19

利用日
女性 男性

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