バリゾーのバリダンス漬け1週間!

ウブドのバリダンス公演もさまざま。短い期間に何を見るべきなのか?バリゾーが7日間ぶっ続けで見たおしました!

こんにちは!バリゾーです。ウブドに1週間以上滞在しました。今回、どうしてそんなプチ・ロングステイになったのかというと、全てはこれバリダンスのため。公演データを少しでも充実させようと、できるだけ多くのステージを見ようと思ったのはいいのですが、有名なダンスチームの公演を見てまわるには、どうしても1週間は必要。というわけで、滞在期間を長くして見学プランを練ることから始めました。
ガイドブックなどのスケジュール表を見ると…毎日どこかでバリダンスは開かれていて、有名なチームもだいたい一週間に1回のペースで本拠地のお寺や宮殿などで見られるのですが、アルマで行われる「Cakrinaケチャ」は満月と新月の夜、つまり月に2度、そして仮面ダンスの第一人者・ジマット氏の率いる「Master of Bali」も1日・15日の月2回のみ。見どころも多いこの2つの公演は最優先しました。その次に外せないのがプリアタン村のティルタ・サリ舞団(金曜)、Semara ratih(火曜)。竹の楽器・ジェゴクもぜひ見たいと思ったので、水曜日にと…夜の日程を埋めていくと、下のようになりました。

11月27日(木)  チャッ・リナ(ケチャ)
11月28日(金)  ティルタ・サリ
11月29日(土)  トレナジェンガラ(ケチャ) &  ビナ・ルマジャ
11月30日(日)  ジャンゲールダンス
12月01日(月)  マスター・オブ・バリ (バトゥアン村)
12月02 日(火)  スマラ・ラティ
12月03日(水)   ヨワナ・スワラ ジェゴク (Banboo音楽)
■2008年の暦です
実をいうと、最後の方はこんがらがってしまい、もともと行きたいと思っていた「ウーマンズケチャ」とか見逃してしまったものもあるのですが…。それでも!ノルマは果たしました…正直言って、毎晩となると、4日目あたりからへばってきて「なんか、ストーリー展開同じやな~」なんて、違いがよく分からないナビゾーはマンネリ化してしまうのですが、なるべく違う演出をする、という演目を選び、行ってみたつもりです!では、まずは1日目は新月の夜、アルマオープンステージでの創作ケチャ、から行ってみました!

1日目~チャッ・リナ Cakrina (ケチャ)

1日目はチャッ・リナ。月に2度しか公演がない、というのではずせません。それにしても会場は上演間近になっても、それほど人は集まりません。やはり不定期な演目なので、バリダンスのファンでないとなかなか注目されにくいのか。もうほとんど周囲が闇に包まれようした頃、半裸の男たちがゾロゾロと輪になって、肩でリズムを取りはじめました。
始まってしばらくすると、バリゾーがこれまで見たことがないタイプのケチャだということがすぐわかりました。というのは、普通のケチャダンスはリズムにのってきた男たちの間に交じって、ダンサーが変わるがわる輪の中に入ってくるのですが、このチャッ・リナは違いました。同じように半裸の男性が目を剥いて踊り始めます。これがリーダーの舞踊家リナ氏。サルの兄弟の決闘を描いたストーリーだそうですが、迫力があるんです、それが。また、子供たちのコーラスも出てきたり、火の球を蹴り合うファイヤーダンスもあったり、なかなか楽しませてくれました。

初日から、かなりコアなのを見ちゃったかな、という一夜でした。

2日目~ティルタ・サリ Tirta Sari

さて、金曜の夜はとりあえず、有名ダンスチームである「ティルタ・サリ」を見ておかなくちゃ、と思い、やってきましたプリアタン村。ウブドの中心からバイクで5分くらいの隣村にあります。バリゾーは15年前、このティルタ・サリの音楽に衝撃を受けて、テープを購入して擦り切れるくらい聞いたという、それほど記憶に深く残っていたので、再び、こちらの公演が見られることを楽しみにしていたのです。さらに「アジア語学紀行」の案内役、ユリアティさんにも会えるかなぁ…などと期待をふくらませて。
昔は表通りの宮殿でやってたはずだったのですが、今は裏手の屋根付き専用ステージになっていました。で、バリゾーが撮影の申し込みをしたら、マネージャーさんが「裏手に団長がいるので、どうぞ」とバックステージに連れて行ってくれました。そこに化粧をしているオカ・ダラム団長はじめ、ダンサーたち。「ユリアティは出産したから、あまり踊りには来ませんよ。まだウチには若いダンサーも育っているのでね」と笑っていました。

それにしても、やはりガムランの響きは、ひいき目でしょうか。美しく響いていました。団長の女形っぽいソロダンスも色気があったし、久々のプリアタンの夜に胸を熱くした夜でした…。

3日目  トレナジェンガラ(ケチャ) &  ビナ・ルマジャ

土日というのは、演目が特に集中することもあって、どこに行こうか正直迷いました。で、場所の近い2つの公演をハシゴすることに。夜7時に始まるトレナジェンガラのケチャを見て、終わった後、プリ・サレン王宮で7時半に始まるビナ・ルマジャへ、という綱渡りです。結果的には王宮の公演がやや遅めに始まったようで、OKでした。ウブド滞在が短い人には、こんな見方もある、ということで。
「トレナジェンガラ」は小さな集会場でこじんまりとやってました。が、便利な場所にあるからか、客はいっぱいです。

「ビナ・ルマジャ」の方は、けっこう若いダンサーで構成されているなぁ、とその華やかさに見とれてしまいました。

4日目~ジャンゲールダンス

さて、4日目はウブド王宮の西側にあるロータスポンドへ。それにしても、「ジャンゲールダンス」ってなんだろう、といまひとつ飲み込めていなかったのですが、このダンスチームは編成がやや大きめで「♪ジャンゲー、ジャンゲー」って合唱するんです。それでこの名前なんだってわかりました。これまで、バリダンスって、ガムランに合わせて踊るイメージが強くて、「歌う」場面は少なかったと思いますが、ジャンゲールは合唱のオンパレード。
女性のコスチュームはキンキラで艶やか、女性と男性のダンサーが掛け合いで歌い、楽しそうに踊っているのを見て、少数民族のお祭りみたいで、なんだかこっちまで楽しくなってしまうのでした。

5日目~マスター・オブ・バリ (バトゥアン村)

5日目 マスター・オブ・バリ (バトゥアン村)

マスター・オブ・バリ」の公演は月2回のみ。さらに家族代々伝われる伝統芸能一家で、現在も団長を務めるジマット氏を中心に母、息子、孫の4代が同時にステージに上がる、というので、これはユニークだと思い、ウブドからはバイクで30分以上もかかる遠征になったのですが、訪ねてみました。そのステージは、バトゥアンという村落の、ジマット氏の自宅で行われます。
感想は…素晴らしかったです!日時が合うようでしたら、ぜひ見ていただきたいパフォーマンスだと思います。まずは、お母さん。ずいぶんお歳のようなのに、パフォーマンスが始まると、ピシリと腰が入り、扇子を使ってツヤのある笑顔で熱演します。お孫さんの男踊りも勇壮。そして、舞台袖は常にジマット氏が座って音楽の合いの手を入れ見守っています。そしてバトゥアン伝統の仮面劇では、ジマット氏が一人何役もこなす熱演。面や衣装の早変わりも観客に見せてくれました。

6日目~スマラ・ラティ  Semara ratih

スマラ・ラティ」は1988年に始まった、割合と新しい劇団ですが、団長のアノム氏はじめ、芸術大学出身者がグループの中心になっている、ということで、若々しい演出が期待できるのでは、と思い、これも楽しみにしていました。で、ウブドの王宮からは東北側にあたるクトゥ村寺院へ。始まりは、メンバー後ろからぞろぞろ現れるのではなく、客席の後ろから、半鐘のようなものを鳴り響かせながら登場。ユニークなオープニングです。
インストルメンタル(鳴りもの)の効果もあって、楽団は特にレベル高かったし、アノム氏さんの勇猛な表情で挑むバリスも堪能できましたが、6日目、ともなるとさすがに「見すぎだよな」という気持ちになってきます、正直。

7日目~ヨワナ・スワラ ジェゴク(Banboo音楽)

さあ!見納めの公演は「ヨワナ・スワラ ジェゴク」。バリゾーの知るところでは、大小の竹製の木琴を打ち鳴らす楽団、ということなのですが、ウブドでもやっていたとは。日程表を見ると、スアルアグンやサクティなどウブドだけでもいくつかのジェゴク楽団がありました。ヨワナスワラはウブドの中心から徒歩で行ける距離なのでのぞいてみることに。

普通のバリダンスは「ガムラン」がメインなのですが、こちらは竹の楽器がメイン、という意味ではユニークだったと思います。それがまた彼らは「村の青年団」風で、ガンガンと思う存分竹筒を叩いていたのが楽しそうに見えました。
公演後、お客さんは楽器をいじることもできます。
演奏だけでなく、寸劇のようなものも多かったので、ひとつのパフォーマンスとしては充実していました。

これで自分に課したノルマは終わり・・・力尽きたわけですが、バリゾー、このウブド滞在中、さらに踊りの先生にお呼ばれして王宮へ行ったり、知合いになったジュンジュンガン村の若者が「ボク、この村のケチャに出るから」と言われて見に行ったり、さらに毎夜のようにダンスを見ていたのでした… 
それにしても、1週間でもとてもとても見終わらないのがウブドダンスパフォーマンスのすごさ。しかも演目もほんとうにバラエティに富んでいました!ウブドの夜はやっぱりこれですよね!

それでは、バリゾーがお届けしました!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-04-03

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