バリの結婚式に突入!

伝統的なバリ・ヒンドゥー教に基づいて行われるバリ人の結婚式ってどんな感じ?

アパカバール、お元気ですか?バリ島ナビです。

バリに住んでいると、知人の結婚式に招待されることが多くあります。こっちの人は結婚年齢が日本よりも低く、男性は27,28歳、女性は22,23歳が結婚適齢期だと言われています。男性は遅くとも30歳まで、女性は遅くとも25歳までには結婚しないと周囲や家族にあれこれ急かされるみたい!日本の数十年前みたいですね。特に独身男性は地域のバンジャールという組織に参加できないため、世間体だけじゃなくて社会的な責任も背負っているようです。バンジャールには一家の主が代表となって参加することが義務なのですが、父親が50歳を過ぎるころには息子にバトンタッチするのが一般的。たいていは長男が後を継ぎますが、長男が外国やインドネシアの別の場所に住んでいる場合などは次男が後を継ぐこともあります。
ところで、バリでは先に妊娠が発覚!ってことがよくあるんです。日本では数年前は「できちゃった婚」と言われ、妊娠してから結婚するカップルが多くなったからか最近では「おめでた婚」とも呼ばれていますね。バリではどう呼ばれているか知っていますか?答えはMarried by Accidentの頭文字を取って、MBA。ニュアンスはできちゃった婚に近いかな?

でも、このMBA、バリでは隠れざる理由があるんです!こっちでは子供が一番大事。バリ人が結婚する理由は、ズバリ!子作り。まずは妊娠できるかどうかをチェックするんだそう。知っている限り、半数以上の新婦は妊婦さんです。もし子供ができなかったら・・・バリでは離婚が許されないので、後妻をもらうそうです。日本だとありえないことですが、こっちの人は「女性は子供を産んでなんぼ」だって思っているので仕方ないです。

さて、このように妊娠が発覚して急いで結婚式の段取りを始めるもんだから、ほとんどの結婚式は突然やってきます。日にちは家族がお坊さんと相談して、結婚に良い日を選ぶため、同じ日に何組も重なったりすることもあったりします。結婚式の準備にかける期間は1ヶ月から2週間ほどで、家族や親戚一同が協力して行います。結婚式は必ず新郎の自宅で行うので、日本のように仏滅のほうが安いからなんて心配は無用。どんなお金持ちでもホテルや結婚式場での結婚はありえないし、バリ式で行うのでウェディングドレスとも無縁です。結婚式の日が決まると招待状を友人や職場の同僚などに送ります。これも突然で、招待状が届くのは結婚式の1週間から3日前くらいです。この招待状がなかなかすごい!もちろん予算によりますが、たいていは結婚式の衣装に身を包んだ新郎新婦のロマンチックな写真入りで、見る人を楽しませてくれます。
案外知られていないけど、バリではヒンドゥー教のカースト制(バリではカスタと呼ばれる)があるため、結婚相手は同じカスタの人に限られるのです。もちろん例外もありますが、その際は女性が上の位の男性と結婚して自分のカスタも上がるという場合がほとんど。男性が上の位の女性と結婚することは滅多にありませんが、その際は女性のカスタが下がっています。女性の両親ならなかなか賛成しないそうな。でもこのカスタ、結婚以外にはほとんど社会生活には影響はなく、インドのように職業が制限されるということもないようです。上の位だからといってお金持ちだとは限らず、下の位でも成功して豊かな生活をしている人も多かったりします。出世にもカスタは関係ありません。

竹とやしの葉でできた伝統的な飾りつけ

バリの結婚式に突入! ヒンドゥー教結婚式 バリの結婚式に突入! ヒンドゥー教結婚式
全部手作りです。門をくぐると、受付があります。受付は親族の若い女性の担当。ここで記帳を行い、用意してある箱の中に封筒に包んだお祝い金を入れます。いくら渡すかはあなた次第、あくまでも気持ちだそう。バリ人に聞いたら、2万ルピアから多くても10万ルピアが平均とのこと。日本と比べるとびっくりするほど少ないですね。結婚式の費用は1000万~3000万ルピアくらい(日本円で10万から30万円)が相場とのことです。

お菓子とソフトドリンクが用意されているので、セルフサービスで好きなものを自分で取って奥に進みます。

カラフルなバリのお菓子

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バンジャールの関係者も続々と訪問。招待客はお菓子とジュースを飲みながら、食事の番が来るのを待ちます。ガムラン奏者を呼んで演奏してもらうこともあります。バリの結婚式は朝から深夜までお客さんが来る限り続きます。訪問者数は300人から1000人ほどにもなるそうです。

作るのに1週間以上もかかる、カラフルでユニークなデコレーション

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これ、全部お米でできてるんです!お人形さんが新郎新婦を象っているようで、愛嬌もたっぷりですね。 これ、全部お米でできてるんです!お人形さんが新郎新婦を象っているようで、愛嬌もたっぷりですね。 これ、全部お米でできてるんです!お人形さんが新郎新婦を象っているようで、愛嬌もたっぷりですね。

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果物のカービング

こんなにいろんなお供え物や飾りを作るなんて、さすがバリ人、手先が器用ですね。

約40分後、ようやく食事の番が来ました。食事はインドネシア料理のビュッフェ。家庭によって微妙に味が違います。いろいろ取ってナシチャンプルの出来上がり!
お祝い事にはジョゲグと呼ばれる若い踊り子が登場することも!触られたら一緒に踊るルールです。酔いも回って楽しそう♪
バリ人の結婚式は本当に大変。面白いのは男性もオカマ顔負けの厚化粧をすること!眉毛とアイライン、口紅まで塗っちゃって、思わず笑いそうになっちゃう。日本の感覚だとちょっと恥ずかしいけど、これがバリの結婚式の正装なんです。新郎新婦さん、お疲れ様でした。末永くお幸せに!
以上、バリ島ナビでした。サンパイジュンパ!
関連タグ:ヒンドゥー教結婚式

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記事登録日:2009-05-20

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