7&8月のバリ島 【2012年】

7~8月のバリ島はどうでしょう?

アパカバール?バリ島ナビです。
バリ島に、乾季がやってきました。7月から8月にかけてのバリ島は、乾季まっただなか。爽やかな、いい天気の日々が続きます。
空気はさらりと軽く、澄み切った高い空には乾季の風物詩ともいえる「凧」が舞っています。オーストラリアの方向から吹いてくる風が強くなるこの季節、バリ島南部のビーチではサーフィンに最適な波のたつ頃。天気が大きく崩れることもあまりないので、マリンスポーツにはうってつけの季節となりました。
今年はイスラムの断食が7月20日から始ります。断食明けはその一ヶ月後ですが、8月のバリ島はそれだけではなくて、本当に祭日祝日が目白押し。8月17日のインドネシア独立記念日を皮切りに、イドゥルフィトリ(イスラムの断食明け)が19日。その10日後の8月29日は、バリ人にとって大切な、210日ごとにやってくるヒンドゥーの祭日「ガルンガン」です。世界中から観光客を迎えるバリ島。今年の8月は賑やかであわただしく、けれど晴れやかにおめでたい一ヶ月になりそうです。
それでは7月から8月のバリ島、ご紹介していきましょう。

バリ島の気候と天気

【気温】
7月 最高30.4℃ 最低23.0℃ 
8月 最高29.6℃ 最低22.5℃ 

【降雨量】
5月 55mm 平均降雨日4日
6月 25mm 平均降雨日4日
今年はじめに発表されたインドネシア気象庁の長期予報によれば、今年はラニーニャの影響で乾季入りが大幅に遅れる、ということでしたが、6月現在、長雨の影響もなく、今年は順調に乾季入りしたようなバリ島です。乾季のバリ島は爽やかな風が吹くいい季節。まとわりつくような湿気を含んだ空気ではなく、さらりとすがすがしい空気に包まれます。空はどこまでも青く、高く、こんな乾季がやってくるとバリの人たちがこぞって夢中になるもの、それは「凧」。この季節、空を見上げてみるとあちらでもこちらでも、高く昇る「凧」の姿を目にすることができるでしょう。
この「凧」。乾季のバリ島の男たちが大好きな娯楽、であるのは間違いないのですが、実はそれだけではありません。風が強くなるこの季節。凧は、この風を司る神様に捧げられるひとつの「神事」としての意味合いも持っているんです。毎年7月か8月に、サヌールの海岸では近隣の村々が凧揚げを競う大会が行われます。何メートルもある大凧を、トラックに積んだり、バイパスを何人もの男たちで行進したりしながら運び行われるこの「凧揚げ大会」は、娯楽というよりはりっぱな「神事」。正装に身を包み、僧侶のお祈りとともに、大凧がサヌールの海岸に舞い踊る姿は、乾季ならではの風景です。
乾季のバリ島は、日中太陽がでている時でも、からりとした爽やかな空気のせいで汗ばむこともない季節です。太陽が沈み夜になると気温も下がって、ぐっと涼しくなります。北半球の日本とは違って、ここバリ島は南半球、言って見れば今が「冬」。この時期真夏の日本からここバリ島に旅行にいらっしゃる方は、当然のように夏の装いで来られるのですが、7月ー8月のバリ島の、最低気温は22度から23度。日本では、ちょうど5月のいいお天気の日、といったところでしょうか。過ごしやすいことは確かですが、真夏の服装だけでは時として肌寒く感じることもあるでしょう。長袖のシャツやカーディガンをお持ちになることをおススメします。
天気が大きく崩れることもなく、エネルギッシュにあちらこちら動き回っても熱中症などの心配もしなくていいこの季節。観光やマリンスポーツには最適の季節がやってきました。どうぞさわやかなこの季節ならではのバリ島を、みなさん楽しんでくださいね。

バリ島カレンダー

バリの暦
■2012年7-8月の満月:7月3日、8月2日
■2012年7-8月の新月:7月18日、8月17日

バリ暦最初の月「サシ・カソ」は7月18日まで。7月19日から8月17日まではバリ暦二番目の月「サシ・カロ」となります。8月18日からは、バリ暦三番目の月「サシ・クティガ」が始まります。

7-8月のインドネシアの祝日
■7月20日:イスラム教の断食月(ラマダン)が始ります。
■8月17日:インドネシア独立記念日
■8月19-20日:イドゥル・フィトリ(断食明け大祭)一ヶ月に渡るイスラム教の断食が終わり、断食明けの休暇に入ります。

7-8月のバリ島の祝日
■8月29日:ガルンガン
ごらんになっておわかりの通り、7月から8月にかけてのバリ島は、まさに「お祭り」の季節となります。
7月20日から、イスラム教では「断食月」が始ります。この断食月の間、イスラム教徒の人たちは、日の出から日の入りまで一切の飲食を断つ生活を一ヶ月続けます。この季節、バリ島でもテレビコマーシャルなどでは、一日の断食が終わったあとの家族揃っての食事には、なんとか印のインスタントラーメン、などといったイスラムの断食を狙った季節モノコマーシャルが流れます。インスタントラーメンや、断食明けにまず食す、お菓子やシロップなどの売り上げが、インドネシア全体ではこの時期にぐっと上がるのだそうです。
バリ島はヒンドゥー教徒が90%以上を占めるので、バリに旅行に来てもあまり「断食月」ということを意識することは多くないと思うのですが、1ヶ月に渡る断食月が終わり、イドゥルフィトリ、断食明け大祭の季節となると、バリ島もはっきりとこの影響を受けることとなります。
街から、イスラム教徒の姿が消えます。断食が終わったあとは、イスラム教徒たちは故郷へ帰り、家族とともに過ごすとされているのですが、このために、断食明け大祭り少し前から、イスラム教徒の人たちは仕事を休んで年に一度の長期休暇に入っていきます。パダン料理屋さん、サテカンビンのお店、ジャワ料理のワルンなどが閉まり始め、それからバクソなどの屋台を引いていた人たちの姿が街中から消えます。まさしくインドネシア、「民族大移動」の季節、それがこの、イドゥルフィトリ、断食明け大祭、というわけです。
さて、今年8月は、この、イドゥルフィトリの直前にも、大きな行事があります。それは、8月17日のインドネシア独立記念日。今年はインドネシアという国が誕生して67回目の独立記念日となります。この日はインドネシア各地で、記念式典が行われます。街のあちらこちらに、赤と白のインドネシア国旗がはためき、屋台もたくさんでて、にぎやかな一日となります。バクソや、揚げバナナや綿菓子などのお菓子や軽食の屋台、昔懐かしい、お祭りの夜店で売っていたようなチープなおもちゃを売る屋台なども出て、子供たちは大喜び。今年はイドゥルフィトリを目前に控えて、お里帰りの前の最後の一稼ぎ、とばかりに屋台のお兄さんたちも気合が入るのでしょうか。それとも、一足早くイドゥルフィトリ休暇に入ってしまって、屋台のお兄さんたちの姿が減るでしょうか。いづれにせよ、今年のバリ島、8月半ばから「お祭り気分」になることは間違いないようです。
そして。独立記念日も終わりイスラムの断食明け休暇も過ぎたあと、8月29日にはバリの人たちにとって大事な祝日がまたやってきます。210日ごとにやってくる、ガルンガンです。今年2回目のガルンガンは、8月29日。
8月27日の日曜日あたりから、ガルンガン準備の買い物をする人たちで市場は大賑わいとなります。28日、そしてガルンガン前日の29日には、準備も大詰め。家々の前には真新しい竹と若々しい緑も鮮やかな椰子の葉で飾り付けられたペンジョールが誇らしげに立ち並びます。ご馳走作り、お供え物作りでバリの人たちはみんな大忙し。そして29日。お供え物を携えて朝からお寺に詣で、神様に祈るガルンガンの日がやってきます。
バリ人経営のワルンなどは、ガルンガン期間中はお休みになるところが多くなります。この頃になればイドゥル・フィトリでお里帰りしていたイスラム教徒たちも、そろそろ戻ってきて、パダン料理やサテカンビンのお店などは開き始めているでしょうか。イスラムとバリヒンドゥーの大きな祭日が相次いでやってくる今年の8月。お目当てのお店の営業などは、前もって確認しておいた方がいいかもしれませんね。
大きな祭り尽くしの、今年8月のバリ島です。

バリ島知っ得情報!

さて、最近のバリ島、スーパーマーケットなどに行って見るといやでも目につく変化があります。それはこれ。韓国製品のオンパレードです。数年前までは、スーパーマーケットの棚ひとつ占領する人気食料品といえば、間違いなく「日本製」でした。醤油、インスタント味噌汁、インスタントラーメン、乾麺やわさび、海苔、だしの素、などなど。値段は日本で買うより2倍から3倍になりますが、お金さえ出せば日本食料品を手に入れることができました。「和食」はいまや日本だけの文化ではなく、グローバルスタンダードと言えるでしょう。在住欧米人も大好きな日本食品。しかしいまやバリ島、スーパーマーケットの棚に並ぶのは、あちらもこちらも、韓国食品。一生懸命探して、隅っこにちっちゃくなっている日本製品を見つける今日この頃。
スーパーマーケットだけのハナシではありません。バリ島は今、日本に続く「韓流ブーム」の中にあります。インドネシアのテレビでは、レギュラーでKポップの番組が放送され、最近のバリの中学生や高校生たちのアイドルといえば、「韓流スター」。10代向けのアイドル雑誌も、韓流スターのページがほぼ8割を占めています。
「韓流スターに続け」とばかりのオーディション番組も誕生しました。オーディションを勝ち抜いた参加者は、韓国で歌や踊りのレッスンを受け、アジアンアーティストをしてデビューする、という触れ込みの番組が、インドシアール局の「ギャラクシースター」という番組。韓流スターに憧れる若者たちの夢を煽ります。
ここ、インドネシアで韓国のドラマや歌手の活動が目に着き始めたのは、けして最近のことではありません。日本でこの「韓流ブーム」に火をつけた、と言われている「冬のソナタ」が、ここインドネシアで放映されたのは、今から10年ちょっと前のこと。日本よりもはるかに早かったんです。でもその時は、今のような爆発的なブームにはならなかったのですね。
その頃はむしろ「韓国」より人気があったのは、「台湾」のドラマやアーティストたち。日本のコミックが原作「花より男子」台湾ヴァージョンを演じた台湾のアイドルグループF4は、10年ほど前にはインドネシアで大人気を巻き起こしました。
それがここ、2-3年でしょうか。ふと気がつけば、放映されている外国のドラマといえば、そのほとんどが「韓国ドラマ」という現状。このインドネシアにおける「韓国ドラマ」大隆盛のきっかけを作ったドラマといえば、それは「宮廷女官チャングムの誓い」かもしれません。
実は「韓国ドラマ」と「インドネシアドラマ」は、とてもよく似ている部分があるんです。それは、とにかく「いつ終わるの?」と言いたくなるほど、ずるずると長く続くこと。無理やり、とも思える展開で、お話を引っ張る引っ張る。
特に韓国の歴史を背景としたドラマの場合、延々とエピソードが続きますが実はこれ、インドネシアのドラマもおんなじなんです。テンポの早い日本のドラマに慣れている目からすると「いつ終わるの?」と早送りしたくなってしまうドラマ展開も、インドネシア人には、「お約束通り」ということなのかもしれません。
歴史ドラマに続き、現代ドラマも次々と放送が始まり、それを追いかけるようにKポップがインドネシアにやってきました。ドラマやミュージックシーンだけでなく、韓国製品の勢いも目を見張るものがあり、最初にお伝えしたように、スーパーマーケットへ行けば棚ひとつ韓国食品で埋め尽くされ、外を歩けば韓国車が通り、冷蔵庫、パソコン、テレビなどの電気製品分野でも、LGやサムスンの台頭著しい今日この頃。
10年前まではほとんど見かけなかったバリ島在住韓国人も増え、もちろん韓国からの観光客の数も増え、そうなると韓国人経営のお店、韓国料理のお店も増えてきた最近のバリ島。日本にはちょっと遅れましたが、バリ島も今、「韓流ブーム」の只中にあるようです。
でも、これだけ「韓流ブーム」全盛となると、なんだかそこはかとなく寂しくなります。韓国製品に押されて、隅っこに押しやられてしまった日本製品。うーん、我が祖国、日本も頑張ってほしいですね。
と思っていたところに、昨年、AKB48の姉妹グループとしてジャカルタに誕生したアイドルグループJKT48。このグループの活躍が、韓流ブームに風穴を開けてくれるとしたら、なんだか日本の元気も取り戻せそうな気がしたりするんですがどうでしょう。
今月は、バリの「韓流ブーム」についてご紹介しました。7-8月のバリ島は涼しい乾季まっただ中。辛くて熱い韓国料理をいただく、なんていうのも、この季節のお楽しみのひとつかもしれませんね。
それではまた、次回は「9-10月のバリ島」でお目にかかりましょう。サンパイ・ジュンパ~!!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-06-27

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