3&4月のバリ島 【2013年】

3~4月のバリ島はどうでしょう?

アパカバール?バリ島ナビです。
バリ島の雨季も、そろそろ終盤にさしかかりました。3月にはサカ暦の新年「ニュピ」を迎えるバリ島。この「ニュピ」は、暦の上での「雨季明け」とも言われています。雨季の終わりには、名残とばかりに短い時間に強い雷雨になることもありますが、そんな日もだんだんと少なくなり、晴れて暑い日が多くなっていきます。
2013年の3月は、バリの異なるふたつの暦、サカ暦のニュピと、ウク暦のガルンガンが一緒にやってくる月となりました。祖先の霊が還ると言われるガルンガンと、サカ暦の新年であるニュピが一緒にやってくるということは、バリ島はまさしく「盆と正月が一緒にやってくる」ということになります。4月にはクニンガンもやってきて、バリ人はお供え物づくりで大忙しの日々です。
ニュピが終わるとバリ島はバリヒンドゥーの総本山ブサキ寺院をはじめ、あちらこちらで寺院祭礼、オダランの季節を迎えます。バリ島らしい美しさに彩られるこの季節。それでは2013年3月から4月にかけてのバリ島、ご紹介していきましょう。

バリ島の気候と天気

【気温】
3月 最高33.6℃ 最低24.0℃ 
4月 最高34.4℃ 最低24.8℃ 

【降雨量】
3月 234mm 平均降雨日数20日
4月 88mm 平均降雨日数 9日
3月。雨季はそろそろ終盤にさしかかります。2月の終わり頃からまるで雨季が明けたような晴天が続くことが時にありますが、3月になり雨季雨間近になると、降り納めのように強い雨が降ってきます。この雨は雷を伴って短い時間に豪雨をもたらすことがあり、あちらこちらで洪水や落雷、停電などの被害につながることもあるので毎年気が抜けない雨季の終わり。

けれどニュピが終わると、そんな雨もだんだんと少なくなっていって、4月になると晴れた、暑いいいお天気の日が続くようになるでしょう。雨季と乾季の境目の、暑い季節がやってきます。
マリンスポーツに最適な乾季にはまだちょっと間がありますが、4月になればお天気も、雨の日がぐっと少なくなりアクティブに行動しやすくなってきます。でもこの季節の陽射しは非常に強烈です。日焼けはもちろんのこと、日射病や熱中症などに対する注意も必要です。じゅうぶんに気をつけて、水分補給と休養をお忘れなく、楽しい旅をなさってくださいね。

バリ島カレンダー

バリの暦
■2013年3-4月の満月:3月26日、4月23日
■2013年3-4月の新月:3月11日、4月10日

バリ暦九番目の月「サシ・クサンガ」は3月11日まで。3月12日から4月10日まではバリ暦十番目の月「サシ・クダソー」となります。4月11日からは、バリ暦十一番目の月「サシ・ジイェスタ」が始まります。

3-4月のインドネシアの祝日
■3月12日:ニュピ(バリ、サカ暦新年)
■3月29日:キリスト受難日
ニュピはバリヒンドゥーの祝日になりますが、これはインドネシアの祝日扱いになっています。

3-4月のバリ島の祝日
■3月12日:ニュピ(サカ暦新年)
■3月27日:ガルンガン
■4月6日:クニンガン

■3月26日よりバリヒンドゥーの総本山であるブサキ寺院のオダランが始ります。11日間続きます。
■4月10日よりタナ・ロット寺院のオダランが始ります。
■4月16日よりゴア・ラワ寺院のオダランが始ります。
■4月16日よりタマン・アユン寺院のオダランが始ります。タマン・アユン寺院は普段は外国人は境内立ち入り禁止ですが、オダランの期間中は、正装をしてバリ人の同伴者と一緒の場合は入ることができます。

ニュピがやってきます。今年のニュピは3月12日。バリ中が静寂に包まれる日です。
サカ暦新年の、ニュピ。この日を迎える前に、村では「浄め」の儀式が執り行われます。ニュピ3日前には、お寺に安置してあるご神体を、海や川へ持っていき浄める「ムラスティ」という儀式が、そしてニュピ前日には、村のいろいろな場所にお供え物が置かれ人々が祈りを捧げ、村の浄化儀式が行われます。
つつがなく過ごすことができた1年、そして雨季明けに感謝して、人々が、厄災から守ってくれた神様にお礼を申し上げ、さらなる加護を頼むこの一連の浄化儀礼。海や川、そして村のあちらこちらで、正装に身を包んだ人たちが指先で花をはさんで祈りを捧げる姿は、まるで絵巻物を見ているかのように美しい光景です。
ニュピの前日。午前中早くから村のあちらこちらで僧侶、そして人々が祈りを捧げこの浄化儀礼を行います。そのあとはそれぞれの家に戻り、家のあちらこちらを浄めます。新年を迎える前にこうやって家の隅々まで浄めるというのは、「大晦日の大掃除」と同じ考え方ですね。お供え物を供える大人たちの後ろから、子供達は鍋や釜などを叩いてカンカンカンという音をさせながら家々のあちらこちらを回ります。これは家の中に潜んでいる悪霊を追い出すためなのだそうです。この、ちょっと愉快で楽しい「新年」を迎える儀式には、子供達も大喜び。テンションもあがったところで、ニュピ前日のお楽しみは、日が暮れてからの「オゴオゴ」です。
悪霊をかたどったはりぼてが村を練り歩くオゴオゴの行列。何週間も前からそれぞれの村ごとに創意工夫をこらして作り上げるオゴオゴ。ニュピ前日の大晦日の夜はこうして悪霊たちを喜ばせ、そして新しい年を前に、悪霊たちに満足してバリから立ち去っていただくのです。
一夜明けていよいよニュピ。この日はバリ中が静寂に包まれます。ニュピの日には「労働」「外出」「火の使用」「殺生」が禁じられ、人々は一日、断食と瞑想をして過ごす日、とされています。もっとも最近は、ニュピだからといって断食する人もほとんどいないようです。火を使ってはいけないということは厳密に言えば煮炊きもできないことになりますが、ホテルに泊まっている方たちは、ホテルの中ならばレストランなどは普通に営業しているでしょうから心配することはないでしょう。ただもしもこのニュピの時にホームステイやロスメンにお泊りの方は、ニュピの日のご飯はどうなるのか、お宿の方に先に確認しておいた方がいいかもしれません。お宿の方で特別の用意がない場合は、前もってパンやスナック菓子、インスタント食品などを買い込んでおきましょう。こういったものを前日の買い込んでおくのは旅行者とは限りません。一日外出できないということでバリ人たちも、パンやスナック菓子、それにインスタントラーメンなどをニュピ前日に買い込みます。そのため店によってはパンなどは午後早い時間にすっかり売り切れになってしまうことも。ニュピの準備は、どうぞお早めに。
さて、ニュピが終わってほっとする間もなく、2013年は3月にガルンガン、そして4月になるとクニンガンがやってきます。
3月27日のガルンガンと、4月6日のクニンガン。この日をはさんで前後三日間は、学校や官公庁などはお休み。お店やレストランも臨時休業になることがあります。
ガルンガンとクニンガンの日にはバリの人たちは供物を持って寺に詣で、またそれぞれの家のお寺、本家や実家の家寺にも供物を備えお祈りをして回ります。ガルンガン前にはペンジョールという椰子飾りが家々の前に立てられ、またこの期間中は子供達のバロンの行列が街のあちらこちらを練り歩きます。
サカ暦のニュピは毎年だいたい3月近辺にやってくるのですが、ウク暦に従って祝われるガルンガンとクニンガンは210日ごと。なのでこれが「同じ月」にやってくるということもあるのですが、2013年はまさにその「当り年」になりました。
毎年ニュピが終わるとバリヒンドゥーの総本山と言われるブサキ寺院のオダランも始るのですが、今年のブサキ寺院のオダランが始るのは3月26日。ガルンガン前日となりました。
というわけで、今年、3月から4月にかけてのバリ島は、いつにも増して「お祭りモード」に包まれることでしょう。雨季が明けて、気持ちよく晴れ渡る日が多くなってくるこの季節。祝祭日に彩られる美しい季節を、みなさんもどうぞ楽しんでくださいね。

バリ島知っ得情報!

3月12日はニュピ。ニュピ前日には、オゴオゴの行列があります。
オゴオゴ(ogoh-ogoh)とは、悪霊をかたどったはりぼての人形たち。ニュピの前日にはこのオゴオゴを、村の男たちが担いで行列をします。これは今では、ニュピを迎える前の切り離せない行事のひとつとなっており、この季節のバリ観光の目玉とも言うことができます。
オゴオゴは、バリの各バンジャール(町内会のような行政組織)でニュピの何週間か前から製作が始ります。オゴオゴ製作にかかる費用は村人たちが共同で負担するほか、寄付金も大事な収入源。大きなレストランやホテルなどにはこの時期、寄付金の要請がバンジャールから回ってきます。
オゴオゴは村人たちの「手作り」が基本。オゴオゴの製作は、まず竹や木で骨組みを作るところから始ります。この骨組みに紙や布を貼りオゴオゴの形を作り、彩色をして仕上げるのですが、こんなところにもバリの人たちの「美意識」が色濃く現れるもの。細かい部分がびっくりするほど緻密だったり、思わず笑ってしまうほどユーモラスだったり。今年はどんなオゴオゴが登場するんだろう、とニュピを迎えるこの季節、いつもとっても楽しみなんですね。
今にも動き出しそうな迫力たっぷりの「悪霊」たち。暗闇の中で出会ったら、子供だったらびっくりして泣いてしまいそうです。
こちらは「長い舌」と「垂れ下がった乳房」が特徴の、バリの魔女「ランダ」2体。細部まで凝りに凝って作られています。 こちらは「長い舌」と「垂れ下がった乳房」が特徴の、バリの魔女「ランダ」2体。細部まで凝りに凝って作られています。

こちらは「長い舌」と「垂れ下がった乳房」が特徴の、バリの魔女「ランダ」2体。細部まで凝りに凝って作られています。

巨大なオゴオゴを作るには、こんなふうにまわりに足場を組みます。竹と紙でできていると言ってもこれだけの大きさとなると大の男何十人で担ぐことになるかなりの重さ。作業も大掛かりです。 巨大なオゴオゴを作るには、こんなふうにまわりに足場を組みます。竹と紙でできていると言ってもこれだけの大きさとなると大の男何十人で担ぐことになるかなりの重さ。作業も大掛かりです。

巨大なオゴオゴを作るには、こんなふうにまわりに足場を組みます。竹と紙でできていると言ってもこれだけの大きさとなると大の男何十人で担ぐことになるかなりの重さ。作業も大掛かりです。

大きなオゴオゴだけではありません。小さな子供が担ぐ小さなオゴオゴもあります。

大きなオゴオゴだけではありません。小さな子供が担ぐ小さなオゴオゴもあります。

ユーモラスなものも。こうなると「悪霊」と言うよりなんだか「親近感」がわきますね。

ユーモラスなものも。こうなると「悪霊」と言うよりなんだか「親近感」がわきますね。

これらのオゴオゴが、ニュピ前になると村のあちらこちらに立っています。夜道を歩いていると、もしくはバイクや車で走っていると、いきなりぬっと現れるこんな製作途中のオゴオゴ。ちょっとビックリしますね。
ユーモラスなものも。こうなると「悪霊」と言うよりなんだか「親近感」がわきますね。

ユーモラスなものも。こうなると「悪霊」と言うよりなんだか「親近感」がわきますね。

ニュピ前日の朝には、こうしてできあがったオゴオゴが道端に並びます。日が暮れてたらいよいよ、オゴオゴの行列のスタートです。たいまつの灯りを先頭に、バラガンジュールと呼ばれる打楽器の演奏隊を従えて、オゴオゴの行列は村を練り歩きます。暗闇の中に浮かび上がるオゴオゴたち。

ニュピ前日の朝には、こうしてできあがったオゴオゴが道端に並びます。日が暮れてたらいよいよ、オゴオゴの行列のスタートです。たいまつの灯りを先頭に、バラガンジュールと呼ばれる打楽器の演奏隊を従えて、オゴオゴの行列は村を練り歩きます。暗闇の中に浮かび上がるオゴオゴたち。

「神々の棲む島」と呼ばれるバリでは、人々は毎日神様に供物を捧げ祈りを捧げ信仰と共に日々を暮らしています。けれどこのバリヒンドゥーの信仰は、善が悪を滅ぼして、人々が神のように完全な存在になることを目的としているものではありません。この世の中には、善とともに悪も必ず存在します。その悪の部分を認めて、なるべくその悪の部分が表に出てこないようにバリの人々は神様に祈ります。邪悪なものの象徴である悪霊も、バリの人たちはいたづらに恐れ忌み嫌うのではなく、日々神様に捧げるのと同じように供え物を欠かさず、そしてこのオゴオゴの行列に見られるように、時には「もてなし」「楽しませ」それとともに人間たちも楽しむのです。
オゴオゴは行列を終えたあと村はずれで燃やされます。これによってオゴオゴの中に封じ込めた悪を一緒に祓い、そしてバリ島は、新しい年を迎えます。
今年もニュピ、そしてオゴオゴの季節がやってきました。いたるところで創意工夫をこらしたオゴオゴが登場することでしょう。今からとっても楽しみです。
このオゴオゴのパレードは場所によっては「ロンバ・オゴオゴ」、オゴオゴのコンクールとなることもあります。各バンジャールで趣向を凝らしたオゴオゴを、文字通り競いあう「ロンバ・オゴオゴ」。パレードのために道路は交通規制が入ることがありますので、事前の確認をなさっておいた方がいいでしょう。
ニュピ前夜、オゴオゴの晩は遅くまであちらこちらで爆竹(最近は花火も!)が賑やかです。月の出ない真っ暗な闇に包まれる深夜すぎ、オゴオゴの興奮冷めやらずヒートアップした人々も家路につき、そしてバリ島は静寂の新年ニュピを迎えます。
今月はニュピ前日のバリ島行事、オゴオゴについてご紹介しました。それではまた次回、5-6月のバリ島でお目にかかりましょう。サンパイ・ジュンパ~!!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2013-02-27

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