7&8月のバリ島 【2013年】

7~8月のバリ島はどうでしょう?

アパカバール?バリ島ナビです。
バリ島に気持ちのよい乾季がやってきました。
7月から8月のバリ島は、乾季まっただ中。真っ青な空は高く、この季節の風物詩ともいえる「凧」が空に舞っています。爽やかな風が吹き、お天気の大きな崩れもないこの季節は、マリンスポーツにはうってつけ。一方、内陸部や山間部では朝晩ぐっと空気が冷え込むこともあり、バリの人たちは「寒い寒い」と厚手の服を着込んだりします。
南半球に位置するバリ島は、季節が日本と逆なので、この時期は「冬」となり、一年で一番涼しい気候、過ごしやすい毎日が続きます。
7月10日からはイスラム教徒の断食月「ラマダン」が始ります。8月8日のイドゥルフィトリ、断食明けまで、イスラム教徒は夜明けから日没までいっさいの飲食をしない断食に入ります。バリヒンドゥー教徒がほとんどのバリ島では、直接的にこのラマダンの影響を受けることはあまりないのですが、断食明け、イドゥルフィトリの休暇には、インドネシア各地から旅行者がやってきて、バリ島は賑やかになります。
それでは、7月から8月のバリ島、ご紹介していきましょう。

バリ島の気候と天気

【気温】
7月 最高30.4℃ 最低23.0℃ 
8月 最高29.6℃ 最低22.5℃ 

【降雨量】
7月  55mm 平均降雨日数4日
8月  25mm 平均降雨日数4日
乾季のバリ島の特徴は、なんといってもその「涼しさ」。陽射しは強くても、爽やかな風が吹いて空気もからりとしています。まっさおな空はどこまでも高く、風にのって空には凧が舞っている。そんなバリ島の乾季シーズンが始りました。
南半球に位置するバリ島は、この時期の季節が日本と逆。バリ島は1年で一番涼しい「冬」の季節を迎えています。猛暑の続く日本からこの季節バリ島にいらっしゃる方たちは、意外にもバリ島が涼しく、過ごしやすい気候なのでびっくりされるでしょう。内陸部、山間部では朝晩は長袖が欲しいと思うこともあるくらい。夏物の服と一緒に、1枚、フリースなどを持ってくると重宝しますよ。バリ島ではいろいろなところで売っているバティックやイカットなどの布、ストールなども、この季節の「寒さ対策」には有効。さらりと羽織ってディナーなど、夜の外出におでかけください。
あまり雨が降らない乾季は、海の透明度もぐっと増し、マリンスポーツに最適な季節。クタ海岸などバリ南側のビーチエリアはこの季節、オーストラリアから吹いてくる風でサーフィンに絶好の波がたちます。もちろんマリンスポーツのみならず、比較的天候が安定しているこの季節は、観光に街歩き、いろいろなアクティビティにと、あれやこれや行動するには絶好の季節。
爽やかなバリ島の乾季を、どうぞみなさんお楽しみください。

バリ島カレンダー


バリの暦
■2013年7-8月の満月7月22日、8月21日
■2013年7-8月の新月:7月7日、8月6日

バリ暦13番目の月「サシ・マラサド」は7月7日まで。7月8日から8月6日まではバリ暦1番目の月「サシ・カサ」となります。8月7日からは、バリ暦2番目の月「サシ・カロ」が始まります。

7-8月のインドネシアの祝日
■7月10日 ラマダン この日よりイスラムの断食月が始ります。
■8月8-9日 イドゥル・フィトリ(イスラム断食明け大祭)
■8月17日 インドネシア独立記念日

7-8月のバリ島の祝日
■8月10日 サラスワティの日:学問と芸術の女神サラスワティに感謝を捧げる日。この日は本を読んだり書き物をするのはお休みし、本や書物の類、ノートや教科書にも、お供え物が捧げられます。学校はお休みになりますが、子供たちは正装で登校し、学問の女神サラスワティに祈りを捧げます。 
■8月11日 バニュピナロの日:サラスワティの女神の恩恵を受けるために、からだを浄めます。早朝に、海、もしくは川でマンディ(沐浴)をすると、サラスワティの女神の聡明な美しさにあやかれるとも言われ、人々はこぞって海もしくは川にマンディに出かけます。この日家庭では、ナシ・クニンというターメリックで黄色く色づけしたご飯を炊いて家族で食べる習慣があります。
■8月12日 ソマ・リバッの日:デウィ・スリという「稲の女神」に感謝を捧げる日。
■8月13日 サブッ・マスの日:金や銀の装飾品、財布などに供え物を捧げる日。
■8月14日 パゲルウェシ:この世の中のすべての「バランス」が保たれ、世界の調和が神によって守られるようにと、供物を寺に供え祈る日。この日はバリ・ヒンドゥーにとって、ガルンガン、クニンガンに次いで大事な祝日とされています。
8月14日よりウブド、グヌンルバ寺院のオダランが始ります。

7月10日から始るイスラム教徒の断食月は、8月8日の断食明けを以って終わり、そのままイドゥルフィトリ、断食明け大祭へと入っていきます。バリ島はインドネシアの中でも独自のバリヒンドゥーという宗教を持っている島なので、直接的にこの、イスラムの断食月~断食明け大祭の影響を受けることはあまりないと言っていいのですが、イドゥル・フィトリの大休暇の時期にはインドネシア中からの観光客がどっとバリ島にやってきます。そういうわけで毎年、この季節のバリ島はインドネシア人の観光客で大賑わい。今年はちょうど、夏休みまっさかりのハイシーズンに当っているので、主要観光地やホテルなどはちょっとした混雑が予想されます。また、今年のイドゥリ・フィトリは、カレンダーでは8月8-9日となっていますが、イドゥル・フィトリのための休暇は8月5日から始ります。4日が日曜日ですので、断食明け大祭りを故郷で過そうとするイスラム教徒の帰省や、国内旅行をする人たちの移動が始るのは、イドゥル・フィトリよりも一足早く、4日くらいから始る、と考えていいでしょう。
さて、8月17日はインドネシアの68回目の独立記念日です。この日はバリ島でもあちらこちらで記念の式典や関連した行事が行われます。
独立記念日が近づくと、街のあちらこちらに、インドネシアの赤と白の国旗が飾りつけられます。7月の終わり頃から、記念式典のための学生達の「行進練習」も始まり、朝や夕方にはかけ声と共に行進をしていく学生たちの姿をあちらこちらで見かけることも多くなります。
独立記念日の日は、記念式典のほかにも人々が楽しめるような行事があちらこちらで行われます。写真は昨年の独立記念日の日にナビが住んでいる村で開催された「村民大運動会」の様子。村の青年会が中心となって、子供も大人も楽しめるような競技が次から次へと繰りひろげられていました。屋台も出て、楽しいお祭りの雰囲気です。
また、この時期のバリヒンドゥーの祝日としては、サラスワティの日、パゲルウェシの日、など、特徴のある祭日がめぐってきます。

バリ島知っ得情報!

乾季のバリ島は「お葬式」のシーズンです。
「お葬式」にシーズンがあるのか?と、はじめて聞いた方は不思議に思われるかもしれません。
バリのヒンドゥー教では、人が死んだら火葬儀礼を行います。バリヒンドゥーの者にとってこの火葬儀礼は、死者の霊を浄化するために必ず行わなければならない大切な儀礼なのですが、たくさんのお供え物を用意するための時間や労力や費用など、火葬儀礼には大変な手間とお金がかかります。
このため、遺体をいったん墓地に仮埋葬し、費用ができたところで改めてきちんとした火葬儀礼を執り行なう、バリ島ではこういったことがよくあります。そこで「お葬式のシーズン」という言葉が出てくるんですね。
バリの暦でサシ・カロ(バリ暦第二の月、2013年は8月7日から9月4日)は人間の儀礼、特に死者に対する儀礼にもっともふさわしい月、と言われています。こういったこともあり、この時期のバリ島は火葬儀礼が行われることが多くなります。
バリ島の火葬儀礼、と一口に言っても、いろいろなケースがあります。
階級の高い方たちや富裕層では、亡くなった方を墓地に仮埋葬せずに、すぐに火葬儀礼を行うこともあります。こういった「個人葬」の時に、同じ村で、まだ火葬儀礼を済ませていない遺体があった場合「便乗して」儀礼を行う場合もあります。また、それとは別に、村でまとまって火葬儀礼を行う「合同葬儀(ガベン・マサル)」というのもあります。
何年かに一度(たいていは5年くらいの周期)村でまとまって、火葬儀礼をまだ済ませていない遺体をいっせいに火葬するガベン・マサル。こういった合同葬儀になれば、労力も費用も個人葬よりはずいぶん少なくて済みますので、最近の火葬儀礼はガベン・マサルが多くなっているようです。
さて、バリ島のお葬式は「公開火葬」です。大きなお葬式があると、ツーリストインフォメーションなどで「お葬式見学ツァー」といったものが組まれることがあります。私たちが普通「お葬式」と言われてイメージする、「死者の霊を弔う厳かな儀式」といったものからは、バリ島のお葬式はちょっとかけ離れているかもしれません。
バリヒンドゥーの死生観は「輪廻転生」。肉体は死んでも魂は生まれ変わります。もちろん肉親を亡くした悲しみというのは同じですが、死者がこの世に未練を残さないように盛大に葬儀を行い、魂をあの世へ送り出すことが、残された者の勤めとなります。
火葬式は何日も(時として何ヶ月も)前からお供え物を作り準備を整えていきます。当日は、午前中に遺体を浄める儀式や肉親との別れの儀式を行い、太陽が真上に来る頃に、火葬場へ向けての行列が始ります。遺体は牛、魚などを模した柩に納められ、火葬場までは人々に担がれて運ばれます。バラガンジュールと呼ばれるガムラン隊の演奏も加わり、この行列はとても賑やかで勇ましいものです。行列の途中に四つ辻があれば、柩をぐるぐると廻します。これは死者の霊の方向感覚を失わせ、「戻ってこないように」するためなのだそうです。
バリの中でもギヤニャール県は、昔からお葬式が盛大な地域として有名です。特にウブド王家の方が亡くなられた場合、今でも村をあげての大掛かりな葬儀が行われます。ウブド王宮から火葬式が行われるお寺まで、ウブド大通りをガムラン隊や踊りの行列、柩を納めた何層ものバデ(塔のかたちをした、遺体を火葬場まで運ぶもの)と火葬のための牛の姿のルンブーが、四辻ごとに担ぎ手を替えて進みます。この行列が滞りなく進むために、ウブド大通りは火葬式当日は電線を切って一帯が停電となります。ウブド王家の火葬式は、近隣からはもちろんのこと、南部ビーチエリアから見物の人がやってくる盛大なものです。
火葬式が行われるあたりには、屋台や物売りたちの姿も出て、まるで「お祭り」のような賑やかさになります。日本人の感覚からすると「不謹慎」なように見えるかもしれませんが、輪廻転生を信じるバリの人たちにとって、「死」はけして「終わり」ではありません。火葬によって浄化された魂は、さらなる転生のステップへ昇華していくのです。
この時期バリを旅行される方は、どこかでお葬式の行列に行き会うことがあるかもしれません。バリ島の火葬式は、不浄の「死」を迎えた肉体から、魂を解き放つ儀式です。たくさんの人に見送られて、死者の魂は、まっさおに晴れ渡ったバリ島の乾季の空高く旅立っていくのです。
今月は、「バリ島のお葬式」についてご紹介いたしました。それではまた次回「9-10月のバリ島」でお会いしましょう。サンパイ・ジュンパ~!!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2013-06-26

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