バリ子妹ローラのバリ島わがまま旅行、その4~世界遺産とジョグジャカルタの旅1泊2日 -後編-

バリ子が案内する妹ローラのバリ島わがまま旅行10日間レポート その4

こんにちは、バリ子です!妹・ローラと一緒に世界遺産「ボロブドゥール」と「プランバナン」を訪れるためにジョグジャに来ています。昨日は早速プランバナンへ行き、ジャワの田舎の景色も楽しみました。今日は待ちに待ったボロブドゥールへサンライズの時間に行くために、昨晩は早めに寝て準備万端!そして今朝は4時起床です。
外の様子はこんな感じで、真っ暗。外に出ると肌寒いくらいの中、ボロブドゥールへ向けて出発です。昨日は車内で途切れもなくしゃべっていたバリ子とローラ。「市場のおばさんみたいだね~」と言われてたのに、今朝はうって変って静か。もちろん、まだ眠いんですよ!通常ジョグジャ市内からボロブドゥールまでは約1時間半かかりますが、早朝であれば1時間程度で到着します。
通常ボロブドゥールのある史跡公園は朝6時開園。でも6時に入場するとボロブドゥールの頂上から朝日を見ることはできません。今回私たちは、公園内に唯一ある「マノハラ・ホテル」から入ることにしました。ここに泊まると滞在中は公園の開園時間中はいつでも遺跡へ行くことができるし、朝も市内に泊まるほど早起きしなくてすむので、最初ローラはここに泊まりたいと言っていたのですが、姉・バリ子の独断で却下。マノハラ・ホテルからのサンライズ・ツアーは朝4:30から園内に入ることができます。チケットは30万ルピアとかなりお高めな設定ですが、サンライズを見たいなら、これしか方法がありません。料金には懐中電灯とサンライズ後のレストランで軽食とコーヒーのサービスが含まれています。
マノハラに到着しても、あたりはまだ真っ暗。静まり返ったレセプションにはチラホラとサンライズ・ツアーに参加の観光客の人々がいます。そんな中、緊急事態発生!!昨晩から何だかお腹の調子が悪いかな…と思っていたバリ子。ホテルを出てからも何となく調子がイマイチで、温めながらここまで来たのですが、ついにもう騙せないところまできてしまいました。ローラをロビーに残し、一人トイレへ急ぐバリ子。大格闘の末トイレから出ると、空が白み始めているではないですかーー!な・なんということーーー!!
「大変、急ぐよ!」とローラをせかし、ボロブドゥールを目指します。少し小雨がパラついていたので、ホテルのスタッフが傘を貸してくれるというのも聞かずに大急ぎでホテルを出ます。懐中電灯を使いながら進んでいくと、遺跡までの間にはところどころにスタッフがいて、道案内をしてくれます。お~、助かるわぁ。ホテルからすでにボロブドゥールは見えています。なんとか大急ぎで遺跡の下まで到着。後はこの一直線に伸びる階段を上るだけ…。実はここからが本当の難関なんです。背中にどんどん日の出が近づいている気配を感じながら、ダッシュで階段を上るも、1段1段の蹴上げの高さが結構あり、半分までたどり着く前にもうギブアップ気味のバリ子。「もう私はいいから、ローラだけ先に行きなよ。私は去年だけでも3回来てるから、別にいいの。下で待ってるからね。ごめんよ~!」と思ったり、「いやいや、ローラだけ一人で行かせるなんて。サンライズは初めてだし、こんなギリギリで日の出を見逃すなんてありえないでしょ!」という自問自答が心の中で続くものの、息は完全に上がってしまい、声も出せない状態。
しかし、根性でなんとか登り切りました!太陽もまだ顔を出していなくて一安心。周りには、すでに時間に余裕をもって上った人々が、静かにサンライズを待っています。バリ子は別の意味で静かだったんですがね(汗)。

待つことほんの2・3分。5:30、ゆっくりゆーっくりと朝日が顔を出し始めました。朝もやが立ち込める中、ゆっくりと東の空が赤く焼けていきます。活火山でもあり、2006年5月のジョグジャ大地震の1日前にも噴火を起こしたムラピ山も、ただ静かにそこに佇むばかり。山の麓に広がる熱帯雨林までもが厳かに見え、息を飲んで見守ります。時間にすると数分足らずの間に、自分を見つめ直すこと、これからの人生についてまで考えてしまうバリ子。大自然の与えるエネルギーって、本当にすごいです。
さぁ、完全に日が昇ったら、やっと遺跡めぐり。小雨も止みました。本当ならばボロブドゥールでも日本語のガイドさんを頼んで案内してもらいたかったんですが、大いそぎだったのもあり、自分たちで上から下にゆっくり回りながら下って行くことに。ローラはずっと来たかったボロブドゥールのスケールの大きさに感動して、じっくりと見て周っています。
マノハラ・ホテルに戻って、ツアーに含まれている軽食とコーヒーを頂くことに。早朝からホテルを出て、丁度小腹がすいていたので喜んでレストランへ。途中マノハラの客室を通りかかります。お部屋はシンプルだけど、不便はなく清潔で、ボロブドゥールの公園内にある唯一のホテルとして評判も悪くないのですが、ローラは絶対グランド・メルキュールの方が好きだろうとの予測で泊まらなかったという話をしたら、「さっすが姉だけあって、私の好みよくわかってる!」とのお言葉を頂戴しました(笑)。しかし、姉は次の機会はマノハラに泊まろうと心の中で決めているのです。だって、やっぱりこのロケーションは最高だし、朝もう1時間長く寝ていられるし。
チーズのかかったピサン・ゴレン(バナナ・フリッター)とコーヒーを頂きながら、ちょっと一息。レストランでは宿泊者の方々が朝食をされています。レストランからもボロブドゥールが木々の向こうに見えています。せっかくの遺跡なので、やっぱり日本語ガイドさんに案内してもらいたいとローラが言うので、ホテルで頼んでみると、日本語ガイドさんは3名のみで通常8:00からのスタンバイなので、サンライズ・ツアーの場合は前日までの予約が必要だとのこと。残念!皆さんもサンライズ・ツアーにご参加の場合はお気をつけくださいね。
有り難い気持ちいっぱいでボロブドゥールを後にしたバリ子とローラ。かなりテンションが上がってきて、予定ではホテルに戻って朝食を取ってから仮眠を取って、街に出ようと言っていたのに、朝食を食べて、そのままジョグジャの市内観光へ繰り出すことに。

グランド・メルキュールの朝食はビュッフェ式で洋食、インドネシアン、それにミニ・のり巻きなどもあり種類豊富。エッグステーションもちゃんとあります。実は本日中国の旧正月に当たる日で、インドネシアの祝日でもあります。コロニアル調の可愛らしいインテリアに無理やりつけられた旧正月の飾り…。面白いのは、「ジャムー」というスパイスなどを原料としたインドネシアの漢方薬のコーナーもあります。ジャムーはジョグジャ・ソロが発祥の地と言われているんです。バリ子はもう味に慣れましたが、ローラは飲んで一言「マズイ!」。決しておいしいとは言えない味です。
お腹もいっぱいになったところで、ジョグジャ観光といってみましょう!まずはジョグジャカルタの王宮「クラトン」。現在もこの王宮に王様が住んでいらっしゃるのですが、その一部を見ることができます。中には王族の方々にゆかりのある品々や、各国からの贈り物などが展示されています。日本語ガイドさんが丁度別のお客さんを先に案内中だったので、バリ子が何回か聞いて覚えていることだけをローラに説明しながらフラフラ歩くことに。

入ってすぐ、正面右に見えてくるのがきらびやかなジャワ式建築の迎賓館のような建物。現在王様が住んでいらっしゃる建物は見学ができないので、博物館を回ります。王家の家系図や王族の写真から、王様が日頃愛用されていた品物などいろいろなものを見ていると、王様の趣味の料理の際に使われていた台所用具やスパイスのコーナーへ。展示物の中に味の素がありました(笑)。数棟に別れた博物館を回り、のんびり王宮の雰囲気を楽しみます。
王宮の敷地内に入って目がいってしまうのは、王宮のセキュリティーのおじいちゃんたち(おじさん?)。ジャワの正装をして、背筋をピンと伸ばし、王宮内を監視しています。サロンにクリスと呼ばれる短剣を指している姿はほんと、ホレボレするカッコよさ。バリ子、結構セキュリティの人に弱いのかも。トルコの王宮の守衛さんが、厳しい目つきでいつでも取り出せるように常に剣に手をかけながら門の前に立っているのを見て、怖々写真を撮らせてもらったこともありました。でも、バリの人たちもそうだけど、民族衣装を着ると、やっぱりどこの国へ行っても普段の3割増しで素敵に見えますよね~。
ゆっくりと見学して戻ってきたら、ガムランの演奏が始まっていました。ジャワのガムランはバリのダイナミックな演奏と違い、ゆるやかで癒されるような演奏。真剣に聞き入るローラ。バリのガムランとの違いを楽しんでいるようです。
クラトンからは「ベチャ」という三輪自転車に乗って、お次は水の宮殿「タマン・サリ」へ。道脇にベチャの客引きのおじさんたちがたくさんいて、なんとなく日本の人力車を連想してしまう、古都の雰囲気が漂うジョグジャ。王様のお膝元特有の景色です。おじさんにゆっくりと自転車をこいでもらいながら、束の間ジョグジャの下町風情を味わいます。
「タマン・サリ」に到着です。
ここは王宮の離宮で水の宮殿。門を入ったらそこには大きなプールが。昔このプールではたくさんの女性が水浴びをして遊んでいるのを、正面の建物から王様が眺めて、今夜一緒に過ごす女性を決めていたそうな。
建物を挟んで大きなプールの裏側には、選ばれた女性と王様が使うプライベート・プールもあります。それを聞いたローラは「なんなの、それー!」とご立腹でした(笑)。
王宮周辺には、ワヤンク・リット(影絵)の人形やバティックの工房、鳥の市場など見所がいろいろあります。今日はその辺は見て回らずに、バリ子とローラはお買いものへ。
まずはジョグジャの銘菓(?)として有名な「バッピア・パトッ」というお菓子を買いに。このお菓子、日本で言うなら月餅みたいなものかな。パイ生地のような薄皮の中にあんこがびっしり入っています。ジョグジャに行く時はローカルの友達に「バッピア・パトッ買ってきて!」とよく言われるし、お土産にもらうこともあるけど、正直以前はあんまりおいしいとは思っていませんでした。でも、最近ではあんこの他にもチョコレート味やチーズ味などもあって、これが結構おいしいんです!中身は水分が少なくボソボソした感じで、薄皮はパイ生地のようなものでできています。このバッピア屋さん、ジョグジャ市街の到る所で見かけますが、メインストリートのマリオボロ通りからすぐのKSトゥブン通りに製造元と販売所が集まっています。面白いのは、「バッピア・パトッゥ11」や「バッピア・パトッゥ383」と言う風に、お店の屋号が番号になっているんです。人によってお気に入りのお店が違うのですが、私がよく買いに行くお店は「25番」。製造工場にも直売所がありますが、今日はその斜め向かいの販売専門のお店へ。インドネシアのローカルのお客さんがほとんどですが、できたてのパッビア・パトッの箱を開けて試食させてくれます。ローラも早速まだ温かいバッピア・パトッを試食。自分用とお土産分をゲットして、車内ですぐに食べ始めるバリ子。一回食べ始めると、止まらなくなっちゃうんですよ~。
次にやってきたのはジョグジャの目抜き通りの「マリオボロ通り」。ジョグジャも郊外にどんどん大きなショッピング・モールが出来てきていて、地元の若い子たちはそっちへ流れていますが、お店の前の狭い歩道の両脇にビッシリと出店が並んでいる様子はアジアの雰囲気がプンプンしていてもちろん健在です!バティックを使った洋服や食べ物、キーホルダーやベルトなど、ありとあらゆるものを売る出店がビッシリと隙間なく並んでいます。
ローラはそこで「I Love Jogja」のTシャツを購入。お土産用に丁度よいジョグジャらしいTシャツがいっぱいありました。
バリ子のオススメはマリオボロ通りの北側にある「ミロタ・バティック」。以前はバティックの専門店でしたが、火事で焼けおちた後にお土産物なども置く小さなデパートになり、観光客に大人気のお店になっています。ここに来たら、何でも揃うんじゃないかと言うくらいの品揃えが魅力。バティックをはじめ、ジャワのコトワザや冗談がプリントされたTシャツ、ジャムー、ジャワ・ティー、置物、雑貨など。何はともあれ、ジョグジャに来たらとりあえず必ず寄って、時間も忘れて物色してしまいます。入り口にいるジャワの正装をしたおばあちゃんがとっても素敵!ローラも一緒に記念撮影してもらいました。
サクサクっと観光と買い物を済ませたバリ子とローラ。せっかくの可愛いホテルだから、外出はほどほどにして、ゆっくりホテルで過ごしたいよね~、と言う話になりました。今回は4時のレイト・チェックアウト・サービスがあるクラブ・ルーム対応にしたので、夕方までホテルでのんびりすることに。このグランド・メルキュール、2009年3月にホテル名が変わる予定です。ホテルのレポートはまたその後にご紹介しますね。
ホテルで少しのんびりして、20:10の飛行機に乗る前に昨日行けなかった「ササンティ」というレストランで食事をすることにしました。
以前から気になっていたレストランなんですが、これまでご縁がなかったのか、予定には入れるけど実際には行けなくなることばかり。でも今日こそついにササンティに到着!ハイアット近くにあるササンティは、道路から少し奥に入った場所にあり、とても静かな雰囲気。降り始めた小雨に濡れる緑溢れる庭がとてもきれいです。ジョグロというジャワの東屋でできたオープン・テーブル席の奥にある室内席で食事をすることに。
ローラはナシ・チャンプルとオックス・テイル・スープを。バリ子はサーモンのタラゴン・ソースをオーダー。白米、うこんを炊き込んだナシ・クニット、そして赤米の3種類のごはんがすごく目に美しく、どれもおいしい。サーモンも新鮮で、2人でかなりの量を完食しました!
どんどんジョグジャの旅も終りに近づいてきています。空港のチェック・インまで時間があったので、ショッピング・モールによってちょっとウィンドウ・ショッピング。丁度駐車場からサンセットが見え始めました。
あっという間のジョグジャ1泊2日の旅。バリ子もローラもかなり楽しんだ2日間、またジョグジャに行きたいね~と言いながらバリへ戻りました。島国国家のインドネシア、それぞれの民族のそれぞれの文化が国内旅行で楽しめます。バリが一番リゾート・ステイを満喫できる場所ですが、他の島の雰囲気を体験してみるのも面白いですよ。そうじゃなくても世界遺産のボロブドゥールとプランバナンは見る価値ありです!

以上バリ子でした~!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-04-20

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