9&10月のバリ島 【2012年】

9~10月のバリ島はどうでしょう?

アパカバール?バリ島ナビです。
乾季もそろそろ終わりに近づきました。これからバリ島はだんだんと暑い季節に変わっていきます。
澄み切った青い空がどこまでも続き、爽やかな風が吹いて過ごしやすかった乾季もそろそろおしまい。バリ島はこれから雨季に向います。乾季と雨季の境目の9月と10月のバリ島は、少しづつ暑くなっていくのが特徴です。雨が降り始めるまでには、まだもう少し時間がありますが、日中の気温がぐんぐんと上昇していくこの季節。陽射しも強いので、この時期にバリ島を訪れるみなさま、観光やマリンスポーツなど日中の活動は、水分補給をくれぐれもお忘れなく。
8月の終わりにガルンガンを迎え、9月のバリ島はクニンガンと共にやってきます。ガルンガンからクニンガンにかけてバリ島では、街のあちらこちらを練り歩く、子供たちのバロンの行列が見られます。そしてクニンガンが終わればバリ島は、あちらこちらのお寺で祭礼、オダランが行われるようになります。今年9月から10月にかけてのバリ島は、オダランラッシュ。みなさまもどこかで晴れやかな、祭りの行列を見かけることがあるかもしれません。
雨季を目前に、バリ島らしい暑さが戻ってくるこの季節。それでは9月から10月にかけてのバリ島、ご紹介していきましょう。

バリ島の気候と天気

【気温】
9月 最高31.4℃ 最低22.9℃ 
10月 最高33.6℃ 最低23.7℃ 

【降雨量】
9月 47mm 平均降雨日8日
10月 63mm 平均降雨日12日
赤道直下のインドネシア、バリ島。日本のみなさまは「バリ島は、常夏の島。1年中暑い」とイメージされていることと思います。それはもちろん、間違っているわけではないのですが、それでもバリ島、もちろん日本のように明確な季節の変化というものはないのですが、四季が「まったくない」というわけではありません。
南半球に位置するバリ島は、北半球の日本とは季節が逆。一年のうちで一番涼しいのが7月から8月にかけて、いわゆる「乾季」の時期になります。「冬」と言ってしまうにはいささか抵抗がある、「寒さ」とまではいかないバリ島の乾季ですが、しかしここ1-2年のバリ島の乾季、ちょっと今までにない、「涼しさ」が特徴。
ナビでもこのページで、「毎月のバリ島の平均気温」を皆さまにお伝えしていますが、今年の乾季の実際の気温は、資料によるこの「平均気温」から、1度から3度低めの気温になる日がほとんどでした。
そんな「涼しい」乾季がしばらく続き、暑さが恋しくなってくる今日この頃。9月から10月にかけてのバリ島は「待ちに待った」暑さが戻ってくる季節です。
雨季と乾季の境目は、太陽が容赦なく照り付けて、気温がぐんぐんと上昇し、風もなくただひたすら暑い!そんな季節がやってきます。まさに、9月から10月にかけてのバリ島は、そんな「暑い」季節。常夏の島、南国らしい暑さと光に包まれる季節です。
涼しかった乾季の間には、なんとなく手が出なかったビールやアイスクリームが恋しい季節。乾季から雨季へ。季節の変化を目前に控えたこの季節。日本とは逆に、これからバリは「夏」の季節を迎えることになります。

バリ島カレンダー

バリの暦
■2012年9-10月の満月:9月30日、10月29日
■2012年9-10月の新月:9月15日、10月15日

バリ暦三番目の月「サシ・クティガ」は9月15日まで。9月16日から10月15日まではバリ暦四番目の月「サシ・カパット」となります。9月17日からは、バリ暦五番目の月「サシ・クリモ」が始まります。

9-10月のインドネシアの祝日
■9月26日:イスラム犠牲祭

9-10月のバリ島の祝日
■9月8日:クニンガン
■9月12日からタナ・ロット寺院のオダランが始ります。
■9月18日からゴア・ラワ寺院のオダランが始ります。
■9月30日からプラキ寺院、ティルタ・エンプル寺院のオダランが始ります。
■10月3日からシラユッティ寺院のオダランが始ります。
8月29日に今年二度目のガルンガンを迎えたバリ島。ガルンガンから10日後のクニンガンまでの間は、子供たちのバロンの行列が街を練り歩きます。日本の獅子舞にも通じるものがある、この子供たちのバロン、華やかでおめでたい、ガルンガンからクニンガンにかけてのバリの風物詩です。
そして、9月8日の土曜日にやってくるクニンガン。前日にお供え物を準備し、人々は朝からお寺へ出かけます。お寺から戻ったら同じように、家寺にお供え物を供え、ご先祖様の霊を再び天界へ送り出すのです。
クニンガン翌日はマニス・クニンガンと言われ、前日の準備の日から翌日のマニス・クニンガンの日までは、学校や官公庁はお休み。ワルンなど、ローカルのお店もお休みになるところが多いので注意が必要です。それでも旅行者相手のレストランやカフェなどは、最近は営業するところも増えてきましたし、午前中は閉めていても夕方から営業、というところも多いので、ガルンガン、クニンガンとはいえ以前ほど、食事をするのに困るというようなことはだいぶ減ってきたようです。
バリの人たちにとって、210日に一度廻ってくるこのガルンガン、クニンガンは、とても楽しい心待ちにする「お祭り」の日。休業にしているお店が多いので、いつもより閑散とした町並みですが、そこに通りかかる子供たちのバロン。正装姿のバリの人々。いつもの観光地バリ島とは少しだけ違う姿を見ることができるでしょう。
また、このクニンガンが終わるとバリ島各地あちらこちらのお寺で祭礼、オダランが始るのも特徴です。カレンダーに書き出したのはほんの一例。ガイドブックなどにも名前が載っている有名なお寺のみですが、このほかにもとても数え切れないほどのお寺でオダランが行われています。この時期バリ島に旅行に行かれるのでしたら、ちょっと聞いてみれば、滞在しているホテルから近い場所の小さなお寺のオダランに出会う可能性はとても高いと言えるでしょう。ウブドのプラデサ寺院(10月14日からオダランが始ります)などのように、表通りから様子を垣間見ることのできるようなところもあります。変わり行くバリ島の中で、バリの人たちが変わらずに大事に守り続けているバリ・ヒンドゥーの信仰。この島が「神々の棲む島」「最後の楽園」と呼ばれるのはなぜなのか。オダランの様子をごらんになれば、その答えがちょっとわかるような気持ちになるのではないでしょうか。
9月から10月のバリ島は、神々へのお供え物に満ちた、美しい季節になります。

バリ島知っ得情報!

バリ島の寺院祭礼と聞いて、みなさまが思い浮かべるのはどんな風景でしょうか。ガイドブックや雑誌の写真などで、どなたも一度は目にしているのではないかと思うのは、色とりどりの果物を積み上げた供物を頭上に載せて胸を張って歩く女性達やバロンの行列です。オダラン(寺院祭礼)の時には、こんな風景をバリ島のいたるところで見ることができます。
バリでは何よりも優先されるこの、オダランの行列。もしどこかでこんな行列にぶつかったら、車もバイクも、この行列を追い越すことはできません。行列が立ち去るまで(目的地のお寺に到着してそのお寺に入っていくまで)行列のうしろでじっと待つことになります。
このような「儀式の行列」をスムーズに執り行うために、影でいろいろと立ち働く人がいます。それは「プチャラン」と呼ばれる人たち。今月の「知って得情報」は、みなさんにこの「プチャラン」をご紹介したいと思います。
「プチャラン」とは、言って見れば「村の警備員」のような役割を持つ人のこと。特に寺院祭礼や、葬儀、それからニュピの際のオゴオゴのような、大勢の人たちが動く場合の治安維持がプチャランたちのお仕事。
プチャランは、「仕事」とは言っても「職業」ではありません。このプチャランの役目につく人は「バンジャール」の構成員である成年男子の中から選ばれます。「バンジャール」とは、バリでは一番小さな行政区分である地域共同体のこと。日本でいえば「町内会」と言ったところでしょうか。
日本の「町内会」規模のバンジャール。とはいえ、その役目と権限は日本の「町内会」とは比べ物にならないくらい大きいのが、バリの社会。バンジャールの主な役割は、第一にお寺の維持・管理、祭礼の催行です。バンジャール共有の建物、たとえば村の集会所、道路や公共施設などの建設や管理、補修なども行いますし、同じバンジャールに所属するどこかの家で、結婚式や葬式など儀式があればそのお手伝い、と、まさに「バンジャール」の活動がなければ暮らせないバリの村の生活。プチャランは、このバンジャール構成員の中から特別に選ばれた人がその役目につきます。
プチャランが一番活躍するのは、前述したように、寺院祭礼や葬儀、オゴオゴなどのような時。このように大勢の人が集まる場合の治安維持、そして交通整理が、プチャランたちの主なお仕事です。行列の道筋をしっかり頭にいれて、行列の進行具合を見ながら、トランシーバーであちらに指示を出し、こちらから指示を受け、混乱が起きないようにある時は見守り、ある時は誘導します。たとえば王族の葬儀などのような特別に大きな行列がでる時には、行列の進行に支障がないように、そして見物の人たちに危険なことがないように、柩の行列が出発する前からあちらこちらを見回って歩くのも、そしてもし、行列の道筋上危険なところに見物人がいるようならば、説明して場所を移ってもらったりするというのも、プチャランの大事なお仕事。
もともとこのように、バリヒンドゥーの儀式催行の場合の治安維持の役割を担うプチャランだったのですが、最近はほかにもお仕事が増えているようです。たとえば、そのバンジャールの中に大きなホテルやレストランがあり、そこで大掛かりなパーティーやイベントを催すので、たくさんの人出が見込まれる、といったような時には、バンジャールが要請を請けプチャランを派遣することもあるようです。
バリ島の華やかな儀式祭礼を影で支えるプチャランたち。その仕事の性質上、なんともちょっと「いかつい」男たちが多いプチャランは、見た目はちょっと「コワイ」のですが実はみんな心優しいおじさんたちなんですよ。みなさんももしいつかどこかで、オダランの行列やお葬式に出会うようなことがあったら、影で支えるプチャランたちのことも、ちょっと思い出してみてくださいね。
今月は「バリ島の平和と安全を守るプチャラン」についてご紹介しました。
それではまた次回「11月~12月のバリ島」でお会いしましょう。サンパイ・ジュンパ~!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-08-29

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