3&4月のバリ島 【2014年】

3~4月のバリ島はどうでしょう?

アパカバール?バリ島ナビです。
バリ島、サカ暦の新年「ニュピ」がやってきます。今年のニュピは3月31日。暦の上での「雨季明け」と言われるニュピが過ぎれば、そろそろバリ島の雨季もおしまい。季節の変わり目を迎えるバリ島です。
ニュピの前にも、3月は「サラスワティの日」や「パゲルウェシの日」など、バリヒンドゥーの祝日がたくさん。そしてニュピが明ければ、バリヒンドゥー総本山ブサキ寺院のオダランも待っています。バリの人たちは毎日お供え物作りに忙しくなります。

さて、そんな3月から4月のバリ島なのですが、インドネシアに目を向けると今年の3月から4月にかけては、一大イベントが行われます。それは「総選挙」。インドネシアでは5年に一度、国会議員、地方代表議会議員、州議会議員、県及び市議会議員の一斉選挙が行われますが、今年はその年に当っています。すでに昨年のうちから候補者登録や有権者名簿の確定などの準備が始まり、テレビでは盛んに政党や候補者アピールのスポットCMが流れている今日この頃。総選挙投票日は4月9日。この日に向けて、3月の中旬頃からインドネシアは「選挙一色」になるのです。バリ島もその例外ではなく、今年はなかなか「熱い」3月になりそうです。
それでは、3月から4月にかけてのバリ島。ご紹介していきましょう。

バリ島の気候と天気

【気温】
3月 最高33.6℃ 最低24.0℃ 
4月 最高34.4℃ 最低24.8℃ 

【降雨量】
3月  234mm 平均降雨日数20日
4月   88mm 平均降雨日数 9日

バリの暦

■2014年3-4月の満月: 3月15日、4月14日
■2014年3-4月の新月:3月1日、3月30日、4月29日

バリ8番目の月「サシ・カウルー」は3月1日まで。3月2日から3月30日まではバリ暦9番目の月「サシ・クサンガ」となります。3月31日から4月29日までは、バリ暦10番目の月「サシ・クダソ」、バリ暦11番目の月「サシ・ジエスタ」は4月30日から始まります。

3-4月のインドネシアの祝日
3月31日 ニュピ(サカ暦新年)
4月18日 キリスト受難日


3-4月のバリ島の祝日
■3月8日 サラスワティの日:
学問と芸術の女神サラスワティに感謝を捧げる日。この日は本を読んだり書き物をするのはお休みし、本や書物の類、ノートや教科書にも、お供え物が捧げられます。学校はお休みになりますが、子供たちは正装で登校し、学問の女神サラスワティに祈りを捧げます。 

■3月9日 バニュピナロの日:
サラスワティの女神の恩恵を受けるために、からだを浄めます。早朝に、海、もしくは川でマンディ(沐浴)をすると、サラスワティの女神の聡明な美しさにあやかれるとも言われ、人々はこぞって海もしくは川にマンディに出かけます。この日家庭では、ナシ・クニンというターメリックで黄色く色づけしたご飯を炊いて家族で食べる習慣があります。
■3月10日 ソマ・リバッの日:
デウィ・スリという「稲の女神」に感謝を捧げる日。

■3月11日 サブッ・マスの日:
金や銀の装飾品、財布などに供え物を捧げる日。

3月12日 パゲルウェシ:
この世の中のすべての「バランス」が保たれ、世界の調和が神によって守られるようにと、供物を寺に供え祈る日。この日はバリ・ヒンドゥーにとって、ガルンガン、クニンガンに次いで大事な祝日とされています。
*「ニュピ」はバリヒンドゥーの祝日ですが、インドネシアの祝日扱いになっています。

■3月12日からケヘン寺院(バンリ)のオダランが始ります。
■4月14日からバリヒンドゥーの総本山であるブサキ寺院のオダランが始ります。

2014年、バリ島のニュピは3月31日。暦の上では「雨季明け」と言われるニュピ。そしてこのニュピは、バリ島サカ暦の新年。新年を迎えるために、ニュピの前にはさまざまな準備が行われます。

そのひとつが「ムラスティ」。これは、ニュピの3日前くらいに行われるご神体を浄める儀式です。普段は村のお寺に安置してあるご神体とともに、人々が行列して海もしくは川へ出かけ、ご神体を浄めます。以前はトラックの荷台に、正装姿の人々やバロン、ガムラン隊などが鈴なりに乗って走っていくのを見かけましたが、最近はエアコンのきいたバスを連ねて海へ向う村も多いようです。

ニュピの前日は朝から、村のあちらこちらでムチャル(浄化儀礼)が行われます。四辻や村の広場、村の境界の場所などにお供え物を供え、僧侶によるお浄めと人々の祈りが捧げられます。これら村での浄化儀礼が終わったあとは、各家庭の浄化儀礼となります。これはなかなか楽しいもので、台所の鍋釜を叩いて賑やかな音を出しながら家の隅々を廻ります。子供たちも大きな音を出して大喜び。こうやって、隠れている「悪霊」を追い出すのだそうです。新年を迎えるに当っての大掃除「煤払い」のようなものですね。

それが終わると日暮れからは、悪霊をかたどった張りぼて「オゴオゴ」のパレードがあるのですが、今年は前述したようにインドネシアは5年に一度の総選挙の年に当っています。過去、この総選挙が行われる年には、「オゴオゴ」のパレードは中止になっていますので、現時点で今年の「オゴオゴ」が行われるかどうかは、未定です。
そして、一夜明ければいよいよ「ニュピ」の日がやってきます。

ニュピは、サカ暦第10番目の月の最初の日、そしてサカ暦の新年に当たる日です。ニュピ前日の浄化儀礼によって悪霊を追い出したバリ島では、新しい年を静寂の中で過します。この日は「外出」「労働」「火の使用」「音をたてること」が禁じられます。そしてバリヒンドゥー教徒は心静かに断食と瞑想のうちに過すとされています。とはいうものの、そこまで厳密にニュピを守るバリの人というのも最近はほとんどいないようで、ニュピ前日になるとスーパーマーケットはインスタント麺やスナック菓子、パンなどを買いこむ人たちで大賑わいになります。それでも「外出」「労働」「音をたてること」はこの日は厳禁ですので、一日中家の中で、大きな音をたてることなく過します。テレビも音量を絞って小さな音で。日が暮れたらテラスの明かりは消して、家の中で明かりを使う時には、明かりが外にもれないように気をつけて。ニュピの外出禁止、明かりの使用の禁止は、プチャランと呼ばれる自治会の警備を担当する人たちが見回り、今も厳密に守られているのです。

バリヒンドゥー教徒以外の人も、たとえ観光客であろうとも、ニュピの静寂を妨げる行為は厳しく禁止されていて、この日はホテルの敷地から一歩もでることはできません。明かりも最小限にして過すことになります。食事は、ホテルによってさまざまです。ホテルのレストランは普通に営業しているところもありますし、事前に希望をとって決まった時間に食事を運んでくれるところもあります。ただ、ホームステイやロスメンの類に宿泊している方は、場所によっては食事の用意がまったくないところもありますので、事前に確認されておくことをお薦めします。もし食事の用意がないところにお泊りならば、前日のうちにスーパーマーケットなどで、パンやスナック菓子、インスタント麺などを買っておくようにしましょう。
行動を制限されるのでニュピにバリに行くのはつまらない、という意見も時々聞きますが、静寂の日ニュピは、ここで体験した人にしかわからない素晴らしさがあります。車もバイクも一切走らないニュピの日のバリ島は、まず空気がきれい。そしてどこまでも静かな一日は本当に心洗われるようです。運が良くて夜晴れたら、暗闇に包まれるバリ島で、本当に手をのばせば届きそうなほど満天の星を見ることができるでしょう。そんな、普段はめったにできない体験ができるのも、ニュピの楽しみのひとつです。
そんなバリ島の新年ニュピ、今年は3月31日にやってきます。

バリ島知っ得情報!

4月9日は、5年に一度のインドネシア総選挙が行われます。今月の「知って得情報」では、間近に迫ったインドネシアの総選挙について、皆さまにちょっとご説明してみたいと思います。
このところ順調な経済発展を続けているインドネシア。バリ島へ来る観光客の数も、インドネシア人がずいぶん増えました。バリ島内に目を向けても、車の数もバイクの数も増え、あちらこちらで、以前とは明らかに違う「豊かさ」を実感するようになりました。その反面、増え続けるごみ、不十分なインフラ、交通渋滞、地域格差や貧困層の問題など、たくさんの問題も解決されずにいます。そんな現在のインドネシアの選挙とは、どんなものなのでしょうか。
■総選挙までのスケジュール
インドネシアでは、17歳以上のすべての男女に選挙権が与えられます。4月9日に実施される総選挙は、国会議員、地方代表議会議員、州議会議員、県及び市議会議員の一斉選挙です。
すでに昨年より準備が始っている今回の総選挙。まず、総選挙に出馬する政党には、それぞれ登録番号というものが与えられます。この登録番号が、選挙の時にはとても重要になります。選挙運動の時には、政党のロゴマークやこの登録番号を前面に押し出し「○番に投票してください」といった呼びかけをします。
昨年の4月から8月にかけて、今回の選挙に出馬する候補者たちの登録及びこれらの候補者たちが立候補する条件を確かに満たしているかという審査が行われました。そして、8月には立候補者が確定。すでに水面下の闘いは開始されているのです。
今年になってからは、街のあちらこちらには、「選挙に行こう」キャンペーンの大きな看板や、候補者の看板が少しづつ目につくようになってきました。テレビなどでも政党や候補者アピールのスポットCMが流れるようになりました。芸能人を候補者にして政党をアピールするというのはインドネシアでも同じことで、今回の選挙でもほぼすべての政党から全部で60人ほどの芸能人が立候補しているようです。
本格的な選挙運動が解禁となるのは3月16日から4月5日まで。この期間は公共の場や、マスメディアなどでの候補者や支持者の活動が許されます。インドネシアの選挙運動がどういうものかと言うと、お揃いの「政党Tシャツ」を着た集団が政党の旗を振りながらバイクで駆け抜けていったり、あちらこちらで大規模な政党支援集会が開かれます。まるで「お祭り騒ぎ」と言われることが多いのですが、本当にその「賑々しさ」は、候補者の名前を連呼する選挙カーが通り過ぎている日本の選挙運動の比ではない、文字通りの「熱い」闘いと言えます。
余談ですが、今年のバリ島の「ニュピ」はまさにこの、選挙運動期間に当っています。ニュピ前夜のオゴオゴが、総選挙の年には中止されることが多いのは、この、選挙運動の「お祭り騒ぎ」とオゴオゴが重なると「暴動に発展しやすい」という見方もあるからですが、政党サイドがオゴオゴパレードを恰好の「候補者アピール」に結びつけるために利用することも同じように懸念されているのだそうです。ニュピのオゴオゴは、あくまでもバリヒンドゥーの宗教行事の一環であるため、政治目的に利用するべきではないというのが、バリ人の見解、なのですね。
さて、「お祭り騒ぎ」の選挙運動期間が4月5日で終了したあと、三日間の静粛期間を経て、いよいよ4月9日に、インドネシア全土にて総選挙が実施されます。

■インドネシアの選挙
有権者のところには前日までに有権者票が届けられます。これを持って指定された投票所へ向います。
スハルト政権時代には、組織票や、他の人の分まで代理で投票したり、ということがおおっぴらに行われていたインドネシアですが、スハルト政権崩壊後、民主主義選挙へと移動していき、現在では、立会人の厳重な監視の中、個人の意思によっての投票が保たれています。
投票所となるのは村の集会所など。インドネシアの選挙では、投票用紙に大きな特徴があります。折りたたまれた投票用紙は開くとちょっとした大きさのポスターくらいの大きさになります。ここに、政党の番号とロゴマーク、候補者の名前と顔写真がすべて印刷されています。投票のやりかたは、自分が「これ」と思う候補者の所属する政党の番号の上に、クギで穴を開けるのです。というのもインドネシアでは、都市部以外、または貧困層の中には文字を読んだり書いたりすることができない人もまだたくさんいます。こういった人たちも投票に参加できるように、という配慮からのこの投票方法なのです。投票箱の横にはインクの壜がひとつ置かれています。投票が終わった人はこのインクに指先をちょん、とつけて「投票が終わりました」という印にします。インクが指についている人は、もう一度投票所には入れないということになります。

■選挙結果の発表
日本では早ければその日の深夜には、遅くとも翌日には選挙結果が発表されるのですが、インドネシアでこの選挙結果がでるのは、なんと一ヶ月くらいあとになります。5月7日から9日の間に、国会議員選挙結果が確定し、国会、地方議会の議席、当選議員の確定は、5月11日から18日の間とされています。結果発表まで選挙から一ヶ月以上要するというのも、ちょっと想像できないんですが、こうして長い長い選挙期間がようやく終わる、かと思いきや。
インドネシアの総選挙は、実はこれで終わりません。7月にはもっと注目されるであろう「大統領選挙」が行われることになっています。
インドネシアでは大統領選挙も、有権者が大統領になってほしい人を投票する「直接選挙」です。インドネシアの大統領は1期5年の任期。続けて2期しか勤めることができません。現在のユドヨノ大統領はすでに2期、大統領を勤めていますので、今年は任期満了となり、大統領が変わることになります。誰が、新しいインドネシアの大統領になるのか、経済発展の中、新たな問題をいろいろと抱えるインドネシアの舵取りをする大統領を決めることは、これからのインドネシアの方向を決まること。今年の大統領選挙が注目される理由です。新聞や雑誌などでも、この大統領選の動向や予想についての記事が目立つ今日この頃です。
赤道にまたがり、2億3000万人の人口を持つ島嶼国家インドネシア。この、インドネシア全土において4月9日に実施される総選挙は、有権者数1億8千万人にのぼる世界有数規模の直接選挙です。スハルト政権崩壊後、4回目の民主的選挙となる今回の総選挙。順調に経済発展を続けている現在のインドネシアの、経済成長の行方、国内政治の安定、さらにアジアの中でのインドネシアの位置づけを決めてゆくであろう今回の総選挙のゆくえが注目されます。

今月は、4月に予定されているインドネシアの総選挙について解説させていただきました。それではまた、「5-6月のバリ島」でお目にかかりましょう。サンパイ・ジュンパ~!!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2014-02-26

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