アパカバール、バリ島ナビです!
史上最強と言われたラニーニャの影響で、雨に悩まされた昨年のバリ島でしたが、今年は順調に雨季明けしているようです。空が高くなってきました。本格的な乾季には、まだちょっと間がありますが、5月のバリ島、澄み切った空が広がってこれからしばらく暑い日が続きます。日本もこれから夏に向かって、ぐんぐん気温が上昇していく頃かと思いますが、赤道直下のインドネシアバリ島と、北半球の日本、一年のうちでそれほど大きな気温差がないのが今の季節、5月と言えるかもしれません。比較的大きな天気の崩れを心配しなくてもいいこれからの季節、バリは絶好の旅行シーズンを迎えています。それでは5月のバリ島、ご紹介していきましょう。
バリ島の気候と天気
【気温】 最高33.1℃ 最低24.1℃
【降雨量】 93mm 平均降雨日数8日
水蒸気を含んだ雲が低く降りてくる雨季の空から一転。青い空に真っ白な雲が浮かび、空がどんどん高くなってきました。これから乾季を迎えるバリ島。太陽が容赦なく照り付けて、しばらくは暑い毎日が続きます。日本は本格的な夏の前に梅雨の季節に入りますが、雨季明けしたバリは一足早く真夏の青空。気持ちのいいお天気が続きます。とはいえ、この季節、気温がぐんぐん上昇したあとで、時々さぁーっと雨が降ることもあります。でも、雨季の頃のように、一日のうちで同じような時間に決まって雨が降る、というようなことはなく、振り出した雨が長く続くこともほとんどありませんので、旅行の計画をたてる時も、この時期の雨はそれほど心配しなくても大丈夫。でも、先月も書きましたが、南の島の太陽は本当に強烈。日焼けにはじゅうぶん気をつけて、水分補給は忘れずに。5月のバリ島を楽しんでくださいね。
バリ島カレンダー
バリの暦
■トゥンプッ・ランダップ 5月7日
■5月の新月 5月2日
■5月の満月 5月17日
バリの暦で11番目の月である「サシ・ジェストゥ」は5月2日まで。5月3日から、バリ暦12番目の月である「サシ・サドハ」になります。
インドネシアの祝祭日
■ワイサック(仏陀生誕祭日) 5月17日
今月の「バリの暦」
5月7日は「トゥンプッ・ランダップ」の日となっていますが、みなさまにはちょっと聞きなれない言葉、かもしれません。いったいこの日はなんの日?ではここでちょっと「バリの暦」トゥンプッについて、ご説明いたしましょう。
「トゥンプッ」というのは、ジャワ語が語源で「土曜日」という意味なのだそうです。そして、その名のとおり、今年の5月7日「トゥンプッ・ランダップ」の日は、土曜日。この「トゥンプッ・ランダップ」という日は、西暦で日にちが決まっているのではなく、「バリ暦何番目の月の何番目の週の土曜日」といった決まりがあるので(本当はもっと複雑な暦の決まりがあるのですが、ものすごく大雑把に言ってしまうと、こんな感じです)、当然その日づけは毎回変わることになります。でも、「土曜日」というのだけはいつも同じです。
「トゥンプッ・クランダップ」この日は、わかりやすく言えば、鉄や金属で出来ている道具に、特別な供物を捧げるという日です。鉄製品、金属製品といえばどんなものがあるかといえば、まず、インドネシア伝統的なクリス(剣)や槍、それから昔から使われてきたクワやカマなどの農耕機具、ノコギリやカンナなどの大工道具、ナイフやハサミなどの日用品、そして最近ではバイクや車、テレビ、冷蔵庫、はてはコンピューターにまでお供えをします。もちろん聖水も振りかけます。つまり私たち人間の生活に欠かすことができない、鉄製品、金属製品に「感謝をささげる」という日、それがこの「トゥンプッ・ランダップ」の日、なのです。
この、「○○に感謝を捧げる日」トゥンプッの日は、鉄製品に感謝を捧げる「トゥンプッ・ランダップ」だけではなく、他の月にもそれはそれはいろいろあります。どんな日があるのか、バリの暦の中からちょっとあげてみましょう。
●トゥンプッ・ウドゥー
果物に感謝する日。この日は、人間に恵みの果実を与えてくれる植物に特別な供物を捧げる日です。特にココナツ、バナナがその対象ですが、ほかにもランブータン、ナンカなどの果実のなる大きな木も含まれます。2011年のトゥンプッ・ウドゥーは6月11日です。
●トゥンプッ・カンダン
家畜の日。飼って世話をしている動物、おもに牛、豚、鶏などに供物を捧げます。「飼って世話をしている」といっても、ペットは含まれません。あくまでも「家畜」に限るようです。2011年のトゥンプッ・カンダンは、2月26日と9月24日です。
ニワトリは含まれます。
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残念ながら、ペットは含まれません。
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●トゥンプッ・ワヤン
これはワヤン(影絵)に使う人形たちのための日です。この週に生まれた赤ちゃんは、1回目もしくは3回目のバリ暦の誕生日の儀式の時に、ワヤン・クリッ(影絵芝居)を催さなければなりません。またこの日は、ワヤン・クリッ(影絵芝居)のダラン(語り手)にとっては特に重要な日で、この芸能が無事に、かつ衰えることなく存続されていくように神に祈ります。2011年のトゥンプッ・ワヤンは4月2日と10月29日です。
このように、バリの人たちは、この世の中に存在しているあらゆるもの、人間以外の生き物、生き物のみならず、私たちの生活を便利に、豊かにしてくれる道具などにまで、思いをかけて供物を供え祈りを捧げます。私たちの毎日の生活は、目に見えないたくさんのものや、道具や、植物や生き物たちに支えられています。普段は当たり前にその恩恵を享受していても、バリの人々は、そのことを忘れずこうやって特別な日を設けて、感謝を捧げるのです。人間だけが、自分たちの都合のいいようにこの世界を支配できるわけではありません。そんなことを、バリの暦を見ていると、考えさせられると思いませんか?
バリ島知っ得情報!
とにかく暑い!5月のバリ島です。こう暑いと、どうしても食欲が落ちてしまうのが悩み。ナビも実はバリに住み始めた頃は、この季節は暑さにまいってしまって、白いご飯に日本から持ってきた海苔と梅干、とか、お素麺を茹でて食べたり、とかしていたのですが、しかし!そんな食事ばかりしていると、ここ、熱帯の島バリ島、てきめんに体力が落ちます!ここは、バリ人を見習って(?)にんにくや唐辛子、スパイスたっぷりのお料理を食べて、暑さを乗り切るのが正解!!
とはいうものの、そうそうバリ人のように、スパイスたっぷりの料理で暑さを乗り切る、そういうカラダの構造(味覚の構造?)には、なっていない根っからの日本人です。夏ばてには、うなぎの蒲焼、と、思ってもなかなかそんな食生活は難しいバリ島での生活(涙)。しかしナビも、長年ここバリ島で暮らすうちに、この季節の乗り切り方も少しづつ身についてきました。暑さで食欲が落ちるこの季節、ナビはいいモノを見つけました。それは「おかゆ」。
バリではおかゆのことを「ブブール」といいます。同じアジアのお米文化の国だけあって、「おかゆ」があるのは嬉しい限り。おかゆならば、食欲がなくても比較的するりと喉を通ります。そのうえ消化にもいい。
インドネシアで有名なのは「ブブール・アヤム」つまり、鶏のおかゆです。これはバリ島よりむしろ、イスラム教徒が多いので豚肉料理を食べないジャワ島が本場。バリ島のホテルの朝ごはんなどでも、「ブブール・アヤム」をいただけることが多いですが、中華粥のようなさっぱりとした白粥に、蒸し鶏のトッピングという、さっぱり味のお粥で、日本人には特に食べやすいものだと思います。
が、同じブブールでも、ローカルのワルンでいただくと、これがちょっと違う。白粥、というところはかわりありませんが、トッピングがぐっと「エスニック」になってきます。さっぱりした白粥に、スパイスを利かせた鶏のスープをトッピング、とでも言うのでしょうか。見ているとバリの人たちは、ここに、さらに唐辛子やサンバル、チリソースなどをトッピングしていただいています。やはり、ただの白粥では、スパイス味が基本のバリの人たちには、ちょっと、いえたぶんかなり物足りないのでしょうね。
朝の市場へ行ってみると、お粥売りが屋台を開いています。朝にお粥、これぞアジア、同じ白いお米文化、まだ半分起きていないカラダに、お粥の優しい味わいが嬉しいな、と思いますよね。ところがみなさん、バリのお粥をあなどってはいけません。確かに、白いお米を柔らかく炊いた白粥、そこまでは日本と同じ。日本人だったら、ここに、梅干とか、佃煮とか、そういった塩辛いものをちょこっとトッピングして、心穏やかにお粥をいただくところです。が、バリはそうではない!!お粥の上にはべっとりと塗りつけられるなにやら得体の知れないペースト状のもの。そしてその上にはゆで野菜がトッピングされます。
この「得体の知れないペースト状のもの」の正体は、と言えば、ココナッツのフレークにいろいろな香辛料を混ぜたもので、なんとも複雑な味わいなんです。バリの人たちはさらにこの上に、サンバル(チリソース)をトッピングして、刺激度いをちだんとアップさせています!やっぱりバリ人、朝のお粥は「お腹に優しい、まだ目覚めていないカラダにも優しい」なんてモンじゃなくて、この辛さでいやでも五感が目覚めてしまう、そんな味覚への刺激がないと物足りない、のかもしれません。ちなみに、この「得体の知れないペースト状のもの及びサンバル」をトッピングしないで、お粥だけをいただくことももちろん可能。最近でこそナビも、この刺激的な辛さを朝から味わわないと「物足りなく」思えるようにもなりましたが、最初のうちは、「お粥だけ」辛いソースはつけないで、という私に粥売りのおばちゃん、「小さい子供がいるのね?そうね、子供にはまだ辛いものはあまり食べさせない方がいいわ」と勝手に納得してくれていましたっけ。
スーパーマーケットでは、インスタントブブールも売っています。
MAYORA社から発売されている「スーパーブブールSuper Bubur」と、コックさん印のRisotto社から発売されている「ブブールインスタンBubur Instan」のふたつなら、たいていどこのスーパーマーケットでも置いてあるでしょう。
「スーパーブブール」と「ブブールインスタン」実はその形状には大きな違いが。ごらんのように、「スーパーブブール」の方は、お湯をかける前はまるで「紙」のように薄いひらひらの形状のもの。そして「ブブールインスタン」は、「あられ」のような丸い形をしています。
ひらひらした紙のようなスーパーブブール
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丸いあられのようなブブールインスタン
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どちらも一緒に入っているのは、「粉末スープ」と「香味油」、「スーパーブブール」の方はそれに、赤いチリソースと黒くどろりとしたちょっと甘いお醤油もついています。これらを皿にあけて、香味油やソースはお好みで加えて、そこに熱いお湯を注いでかき回せば、あっというまにインスタントブブールのできあがりです。「スーパーブブール」にはほんのりピンク色のエビ風味せんべいが、「ブブールインスタン」には塩味の利いたぱりぱりとしたおせんべいが、それぞれトッピング用に入っていますので、それを載せて、あっという間に完成。
暑くて食欲のない時にも、さらりといただける「おかゆ」は、この季節にはとっても重宝するんです。バリが、日本と同じ「お米文化」の国でよかったなあ、としみじみ感じるこの季節。日本のおかゆに比べると、ぐっとエスニックで複雑な味わいのバリのおかゆで、乾季前のこの暑い季節を乗り切りたいと思っているナビでした。
今月はバリ島の、いろいろなおかゆについてご紹介しました。それではまた来月お目にかかりましょう。サンパイ・ジュンパ~!!
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2011-04-26