アパカバール、バリ島ナビです!
6月になると、バリ島はぐっと涼しく、過ごしやすくなってきます。乾季はすぐそこまでやってきています。
この季節、バリ島では年に一度の大きなイベントが行われます。それは「バリ・アート・フェスティバル」。県予選を勝ち抜いてきたグループが、デンパサールのアート・センターに集結。「バリ島ナンバー・ワン」を目指して熱い戦いを繰り広げる、文字通り、アートの祭典「バリ・アート・フェスティバル」。芸能好きには絶対にはずせないイベントです。
それでは6月のバリ島、ご紹介していきましょう。
バリ島の気候と天気
【気温】 最高31.4℃ 最低23.5℃
【降雨量】 53mm 平均降雨日6日
南半球に位置するバリ島は、これから乾季に向かいます。乾季は、こちらでは言ってみれば「冬」の季節。一年中で一番、気温が低く、あまり雨も降りません。もちろん「気温が低い」といってもそこは熱帯の島。最低気温が23度前後、お天気のいい晴れた日中は30度前後にす上がりますが、それでも湿気が少なくなってきていますので過ごしやすいお天気です。昨年のバリは、史上最強と言われたラニーニャの影響で、上空の大気が不安定な状態が続き、乾季にも関わらず大雨が降り続きました。ラニーニャは昨年より勢力を弱めたものの、まだ続いているようで、太平洋上の水蒸気移動が活発なため、今年の乾季入りは、過去30年間の平均よりは若干遅れる、との予報が出ています。
乾季に入ると、空がどんどん高くなっていきます。この季節の風物詩といえば、凧。バリの人たちは凧揚げが大好きなんです。澄み渡った空に凧が上がっているのを見ることもあるでしょう。サーファーの方たちにとっては、オーストラリアからの風が吹く乾季は、クタビーチにいい波がたつ季節の到来。バリ島、乾季入りはもうすぐです。
バリ島カレンダー
バリの暦
■6月の満月:6月15日
■6月の新月:6月1日、6月30日
バリの暦で11番目の月「サシ・サドハ」は6月1日まで。6月2日より、バリ暦12番目の月「サシ・マラ・サドハ」になります。
6月のインドネシアの祝日
■キリスト昇天祭:6月2日
■モハメット昇天祭:6月29日
今月のイベント
毎年6月から7月にかけての一ヶ月、デンパサールのアート・センターをメイン会場にして行われる、「バリ・アート・フェスティバル」。これは、バリを代表するフェスティバルと言っても過言ではありません。
県予選を勝ち抜いてきた精鋭揃いのグループによって競われる、芸能の祭典。文字通り、現在のバリ島芸能のトップたちの競演が毎日繰り広げられます。
普段はなかなか見ることのできない、地方の芸能やアーティストも出演します。世界各国からの参加もあり、日本からもほぼ毎年、ガムランやバリ舞踊を学んでいる人たちが参加。レベルの高い演奏や踊りを披露してくれています。伝統芸能のみならず、コンテンポラリー・ダンスや、ジャズ・プレイヤーとの競演などなど、バリ芸能の可能性をとことん追求するバリ・アート・フェスティバル。アート好きの方たちには、見逃せない祭典です。
メイン会場となるデンパサールのアート・センターには、フード・コートや移動遊園地も登場。洋服や雑貨を売る屋台も立ち並び、まさに「お祭り」の雰囲気。伝統芸能だけではなく、「料理コンテスト」や「お供え物作りコンテスト」なども行われます。ローカルのバリ人で大賑わいの会場を回るだけでも、本当に楽しい「お祭り」。
一年に一度、バリの芸能と文化が一堂に会する「バリ・アート・フェスティバル」。6月から7月にかけてバリ島を訪れる方は、ぜひデンパサールのアートセンターを訪れてみてくださいね!!
バリ島知っ得情報
乾季が近づいた6月のバリ島。これからだんだんとバリは涼しくなっていきます。
バリ島に対するみなさんのイメージは、一年中太陽が降りそそぐ常夏の島、というのが一般的かと思いますが、でも、そうは言ってもここバリ島、季節の変化を感じることがあります。日本ほど目立った四季の変化はもちろんありませんが、雨季と乾季では空気の質感が変わるんです。水蒸気を含んだ湿気がからだにまとわりつく雨季に比べて、乾季はからりと乾燥した空気。太陽の日差しが強い昼間はともかく、明け方や夜は意外に空気が冷えて気温も下がり、長袖や靴下がほしくなることも。特に内陸、山間部ではこの季節、長袖シャツは必需品。
そんな肌寒い季節には、常夏の島バリ島とはいえ、やっぱりみんな「風邪」を引きます。旅行でいらした方たちも、ご注意ください。観光やショッピングの疲れ、昼間と夜間の温度差など、体調を崩す原因はたくさん。ということで、今月の「バリ島知っ得情報」は、こんな時、手っ取り早く風邪の症状を緩和してくれる、バリ島ならではのいろいろをご紹介することにしましょう。
なんだかちょっと寒気がする。そんな時には、バリ島のレストランやカフェならば、たいていどこにでもメニューにある、「ジンジャーティー」生姜紅茶がおススメです。からだをじんわりと温かくしてくれて、喉の痛みにも効果的です。バリ島のジンジャーティーに使用している紅茶は、ほとんどがジャワティー。さっぱりとしたクセのない味わいが、生姜や蜂蜜によく合うんです。
生姜はインドネシアでも料理や飲み物によく使われるスパイスです。からだを温めてくれて、発汗作用のある生姜は、風邪の初期症状にはとても効果的。ジンジャーティーだけでなく、スーパーマーケットへ行けば、生姜を使ったいろいろなインスタントドリンクが並んでいます。日本人からしたら、え~、こんなモノにまで生姜入れちゃうの?って驚くようなものもあるんです。その一部をご紹介しましょう。
そのものズバリ、「生姜湯」のような飲み物が、「スコテン」です。スコテンはもともとジャワ島の飲み物らしく、バリの人はあまり知らないようです。バリ島のレストランでも、これをメニューに出しているお店はあまり多くないのですが、ジャワ島出身の人がやっているワルンやレストランで、注意してみるとお目にかかることがあります。ちょっとトロミがかった、まさしく「生姜湯」の中に、ピンク色や緑色のゼリー状のものや、クルトンのようなものがあれこれ入っていて、なんだか楽しくなってくる飲み物です。この「スコテン」も、大きなスーパーマーケットならば、インスタントの粉末状のものを売っています。バリの人にはなじみのない飲み物ですが、ジャワ島出身の人にとっては、「肌寒い乾季の夜にスコテン売りがやってくるんだ、田舎の風物詩だねえ」と、そんな郷愁を誘う飲み物なのだそうですよ。
え?と思ってしまうのがこちら、「コピ・ジャヘ」と「スス・ジャヘ」です。「ジャヘ」というのはインドネシア語で「生姜」のこと。コピ・ジャヘはジンジャーコーヒー、スス・ジャヘはジンジャーミルクです。どちらも手軽なインスタント粉末。お湯を注ぐとびっくりするくらい、生姜の香り!!インドネシアの人たちの、飲み物の好みは概して「甘め」なので、どちらも日本人の好みからしたら甘さが強く感じられるかもしれません。でも、生姜の風味も強烈なので、「辛くて甘い」なんとも不思議な飲み物。でも、確かにからだは温まりますよ。こちらも「うすら寒い」乾季の夜にはおススメです。
次は、生姜のキャンディーをご紹介します。なかなかリアルな生姜の絵が描かれたパッケージや、ちょっとレトロなパッケージのもの、いろいろな種類があります。これは日本へのおみやげにしてもいいですね
キャンディーのようで、ちょっと変わったお菓子が、これ、「ジュンジャー・ボン」もしくは「ティン・ティン・ジャヘ」。求肥のような、ういろうのような、と言っていいのか…。柔らかい、生姜味の練り菓子です。とにかく生姜の辛味がぎゅっと閉じ込められていて、口に入れるとまるで「すりおろし生姜」をいただいているよう。ほんのりした甘さと強烈な生姜風味、これが意外と日本茶に合うんですよ。これも、日本へのおみやげに、ナビのおススメです。
これだけいろいろ試しても、だめ。本格的に、どうやら風邪を引いてしまったらしい、という方。心配いりません。最後にとっておきのおススメをご紹介。ジャムゥ、インドネシアの漢方薬があります。その名も、「トラックアンギン」。トラックとは「拒否する」、アンギンとは「風邪」。風邪を拒否する、という名前のジャムゥ。
「トラックアンギン」にはたくさんの種類のものが出ていますが、一番本格的なのが「コンプリット」。粉末状のもの、飲みやすくするための蜂蜜、ブラスクンチュールというお米とうこんをミックスした粉末、口直しのための生姜湯の粉末、そして朝鮮人参のカプセルまで入っています。粉末をお湯で溶くと、緑色のような茶色のようななんともいえないどろどろの液体ができあがります。これに蜂蜜を混ぜて、それでも飲みにくい場合はレモンなどを搾っていただきます。粉末はお湯に溶けきれずにどんどん下に沈んでいきますので、一気に飲みきれない場合は飲むたびにカップの底をかき回すようにしましょう。そうしないと最後に、それこそどろどろの粉末だけが残ってしまいます。いかにも「漢方薬」っぽい形状とにおい、けしておいしいものではありませんが、効果のほどは翌日に実感するはず。なにがスゴイかと言うと、「風邪の症状が一気に外へでてくる」のです。
これはいわゆる「風邪の症状を抑える薬」とは一線を画して、「風邪の症状を外へ出す薬」つまりからだの中にあるたまった悪いものを外へ出してくれるものなのです。ですから、「ちょっと喉が痛いかも」と思った時に、この「トラックアンギン」を飲むと、翌日には「痰が切れている」、つまり風邪はすでに「治りかけ」の状態に移行しているのです。
今までナビも、薬といえば悪いものを「殺して」くれるものだと思っていました。でも、インドネシアのジャムゥ、悪いものを「殺す」のではなく、「からだの外へ排出する」のです。そのため症状は一瞬悪化するように見えることもありますが、「悪いもの」がからだの外へ排出されたあとの気分は、なんとも言えず爽快!!
「トラックアンギン」は、この「コンプリット」のほかにも、飲みやすいシロップタイプや、錠剤などもあります。シロップタイプは最初から蜂蜜の甘みが加えられているので、まるで「液体のど飴」のようでとても飲みやすいです。バリの人たちは、パッケージのすみっこにちょっと切り込みを入れて、そこからチュウチュウやっていますが、これを少量のお湯で溶いてドリンクとしていただけば、からだがぽかぽかと温まって、喉の痛みもさっぱりと引いていきますよ。でもやっぱり、根本からしっかり「毒素排出」したければ、「コンプリット」がおススメ。良薬は口に苦し、です。
「トラックアンギン」はシドムンチュル社の登録商標ですが、同じ効果のものに「アンタンギン」というのもあります。どちらも効能は同じ。ジャムゥ屋さんだけじゃなく、スーパーマーケットや薬屋さんでも手に入りますので、バリで「風邪を引いたな」と思ったら、みなさんどうぞ思い出してみてください。
これから乾季本番を迎えるバリ。過ごしやすいお天気が続きます。晴れ渡った空と爽やかな風の下で、いろいろな楽しいイベントが次から次へと予定されているバリ島。みなさんもどうぞ、楽しい旅行を過ごしてくださいね。
それではまた来月お目にかかりましょう。サンパイ・ジュンパ!
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2011-05-26