7月のバリ島はどうでしょう?
アパカバール?バリ島ナビです。
7月のバリはいよいよ本格的な乾季到来。からりとした空気で、過ごしやすい季節がやってきました。
バリ島は今月「ガルンガン」と「クニンガン」を迎えます。一年中祭礼と儀式に明け暮れるバリの人たち。その中でもとても大きな祝日「ガルンガン」と「クニンガン」。祭りと共に、バリ島の7月は始まります。
世界中からのお客様を迎える夏休みのバカンスシーズンが始まる7月のバリ島。それでは今月のバリ島、ご紹介していきましょう。
バリ島の気候と天気
【気温】 最高30.4℃ 最低23.0℃
【降雨量】 55mm 平均降雨4日
晴れた日の空はどこまでも高く、抜けるような青さ。バリ島は本格的な乾季の到来を迎えています。
「乾季には、雨は降らないのですか?」と、よく日本からのお客様から質問されることがあります。読んで字のごとく、「雨季」というのは雨が降る季節で、「乾季」というのは雨が降らない季節、と捉えていらっしゃる方が多いようなのですが、が、答えは「ノー」。残念ながら、乾季だからといって「まったく」雨が降らない、というわけではありません。「雨季」でも晴れ渡る日が続くこともありますし、「乾季」だからといって「雨が降らない」というわけではありません。
雨が降る、降らないよりも、バリ島の乾季の特徴は、オーストラリアの方から、冷たい季節風が吹いてくる、ということです。この季節風の影響で、乾季にはオーストラリア側、つまりバリ島の南のビーチは、サーフィンに絶好の波がたつ頃となります。またこの時期は、海の透明度もぐっとあがりますので、ダイビングなどのマリンスポーツには最適です。
日没後は空気が冷えて、ぐっと涼しくなるのがこの季節の特徴。特にウブドなどの山間部では、常夏の島バリ島と言えども、朝晩の冷え込みを感じるようになります。涼しさや寒さに慣れていないバリの人たちは、ちょっと大げさなほどに「寒い寒い」と言って、セーターなどを着込むこともあります。さすがに私たち日本人には、「セーター」までは必要ないとしても、1枚の長袖、靴下など、この季節にはぜひ旅行のお供にお忘れなくお持ちになった方がいいかもしれません。
からりとした、爽やかな風が吹く、過ごしやすい「乾季」。7月のバリ島は絶好の旅行シーズンを迎えます。
バリ島カレンダー
バリの暦
■7月の満月:7月15日
■7月の新月:7月1日、7月30日
今月からバリの暦は新しくなります。7月1日の新月から、バリ暦一番目の月「サシ・カサ」が始まり、次の新月7月30日からバリ暦2番目の月「サシ・カロ」が始まります。
7月のバリ島の祝日
■7月6日:ガルンガン
■7月16日:クニンガン
7月20日より、タナロット寺院のオダランが始まります。
また7月30日の新月の日より、イスラム教の断食月が始まります。
210日に一度巡ってくる、バリヒンドゥーの聖なる祝日「ガルンガン」は7月6日。この前からバリの人たちはガルンガンの準備に忙しくなります。
「ガルンガン」は祖先の霊が戻る、と言われる日。日本で言えば「迎え盆」と考えると私たちにもわかりやすいですね。このために、ガルンガンの前に家々の前には、ペンジョールという、竹に椰子の葉で飾りをつけたものを立てかけます。家々の前に、ま新しいペンジョールが立ち並ぶ風景は、この時期ならではのもの。
ガルンガン前日は、供物作りの総仕上げ。そしてガルンガンのご馳走作りです。市場の賑わいも最高潮を迎えます。この日バリ人のおうちで必ず作られると言っていいガルンガンにつきもののご馳走は、ラワール。豚肉や豚の皮、おうちによっては鶏肉やアヒルの肉などと、野菜を、たくさんのスパイスであえた、バリの宗教儀式やお祝い事の時には欠かせない伝統料理です。このほかにも、サテや豚肉の煮込みなど、朝からバリ人家庭の台所は大忙しの日となります。
そして、ガルンガン当日。用意したお供え物を携えて、朝のうちからお寺へ詣で、祈ります。そのあとはお供え物を持って家に戻り、家寺でも同じようにお祈り。家寺に戻ってきている祖先の霊に、日々の感謝を捧げます。
ガルンガンの翌日はマニスガルンガンといって、会社などはこの日までお休みになることが多いようです。
7月5日から7日までのガルンガンの期間は、一部のレストランやお店もお休みにしたり、もしくは営業時間を変更したりすることがありますので、この期間に旅行をなさるみなさんは、事前に確認をなさった方がいいかもしれません。ホテルや、この期間に通常営業をするレストランなどでも、スタッフは交替制をとり、必ずみんなどこかの時間でお寺にお祈りにいけるようなシフトを組んでいるようです。そのためこの期間、いつもの制服ではなくバリの正装姿で仕事につくスタッフたちの姿もよく見かけます。
ガルンガンから10日後の7月16日はクニンガンです。祖先の霊が天界に戻る日です。この、クニンガンのためにも、前日からバリの人たちはガルンガンと同じお供え物とご馳走を作り、クニンガン当日もガルンガンと同じようにお供え物を持ってお寺に詣でます。
バリヒンドゥーの人たちにとっては、大切な聖なる祝日ガルンガンとクニンガン。準備も大変ですが、この日を迎えるのはとても楽しみなことのようで、この時期バリ全体がなんだか「お祭り気分」、浮き立つような幸せな雰囲気に包まれます。そんなハッピーな「気」を、どうぞこの期間、みなさんも感じ取ってくださいね。
今月のイベント
先月もお伝えしたように、バリ島きってのイベント、バリアートフェスティバルが、デンパサールのアートセンターをメイン会場に、開催されています。バリ島のみならずインドネシアのほかの島々、アジアやオーストラリア、アメリカなどの世界の国々からの参加やコラボレーションなどなど、どの日も盛り沢山の内容。閉幕は7月9日。ぜひ、アートフェスティバルへ。(アートフェスティバルのスケジュールは予告なしに突然に変更になることがままありますので、実際に行かれる方は事前の確認をなさることをおススメいたします。)
バリ島知っ得情報
◆バリ島の凧揚げ今日は今月旅行者の皆さんが目にするであろう、バリ島の風物詩をふたつ、ご紹介したいと思います。まずひとつは、先月もここでちょっとだけご紹介した「凧揚げ」。
オーストラリアから強い季節風が吹くこの季節。空が青く高く突き抜けるようになってくると、バリの人たちは好んで「凧」をあげます。
「凧揚げ」はバリの人たちが大好きな遊びです。サヌール海岸では毎年この季節に、「凧揚げ大会」が開催されます。また、村や郡などで、規模はいろいろですが、「凧揚げ大会」を開催するところが多いです。
サヌール海岸で開催される凧揚げ大会は、近隣の村々が参加。この凧揚げ大会は、個人選ではなくて、村対抗。高さと滞空時間を競う凧は、広げると実に何メートルにもなる巨大凧。こんな巨大凧を、村からトラックに載せて運んできたり、近くの村ならば村人が総出で持って隊列を組み、堂々とパイパス通りを歩いて運んできます。そのためにこの季節、パイパスは「凧渋滞」に陥ることもあるんです。
バリの凧揚げ大会は、巨大な凧の製作から、当日の凧揚げまで、村の男たちが協力して行います。村の威信にかけての戦い、単なる娯楽を超えています。たかが凧揚げのために大のおとなが、と思われるかもしれないですが、実はこれ、ただの凧揚げではないのです。
バリ島の凧揚げは、「風の神様」を喜ばせるためのもの、りっぱな「神事」のひとつなのです。なので、凧揚げ大会も、ただの娯楽ではなくて、神様に捧げる儀式の一環。それが証拠に凧揚げ大会に挑む人たちの格好は、白装束のバリの正装。もちろん、凧をあげる前にはこの、村人総出で作った巨大凧に供物を捧げ、お坊さんに聖水を振りかけてもらい、祈りを捧げることも忘れません。
サヌール海岸、そしてバリ島のあちこちで見られる「凧揚げ」の風景、この季節の風物詩です。
◆子供たちのバロンさて、そしてもうひとつご紹介したいのが、今月きっとあちらこちらで目にするであろうもの、「子供たちのバロン」の行列です。今月の暦でもご紹介したとおり、7月6日はバリで210日ごとに巡ってくるヒンドゥーの祭日、ガルンガンとなります。
この「ガルンガン」から10日後の「クニンガン」までの時期、バリ島では「子供たちのバロン」が町を練り歩きます。
「バロンダンス」で有名な「バロン」は、いろいろな動物の面に胴体がついたもので、バリでは伝説の「聖獣」として人々に敬われ、親しまれています。日本の獅子舞のようなかたちをしているますので、日本人にもなんとなく親しみのあるものですね。
本来バロンは、バリの人たちにとって宗教的なもので、神聖なものです。お寺の祠には必ずご神体としてのバロンが安置されています。そしてこのバロンは、お寺の祭礼や必要に応じて祠から出され、村の辻辻を練り歩きます。バロンが村の辻辻を練り歩くということは、その場所が「浄められる」ということを意味します。人々はバロンにつき従い、ガムランの演奏と共に、村を浄める「バロンの行列」を行います。
バリの暦で210日に一度巡ってくる「ガルンガン」の祭日にも、村のあちこちを浄めるために、この「バロンの行列」が行われます。が、今日ご紹介するのはそれとはちょっと違う意味合い、子供たちによる「バロンの行列」です。
ガルンガンからクニンガンにかけて、子供たちによるバロンの行列が、村のあちらこちらで見られます。これは前述のような「神事」としてではなく、子供たちの「娯楽」としてのバロンの行列です。これらのバロンは、お寺に安置されている「ご神体」としてのバロンではなく、「娯楽」として親しまれるバロンで、個人が所有しているもの。子供たちはこのバロンと共に、行列を作って村のあちこちを練り歩きます。
バロンにはたいていふたりの子供が入ります。前足を担当する者は面を持ち、後ろ足を担当するものは、その動きに合わせます。行列には打楽器からなる演奏隊も付き従い、バロンの舞に演奏をつけます。
ガルンガンからクニンガンにかけての10日間、村のあちらこちらを練り歩く子供たちのバロン。これは日本で言えば「獅子舞」のようなもので、ひとつの「縁起もの」。ガムランの音が聞こえてこのバロンがやってくるのがわかると、人々は家の中から外に出て、子供たちを呼びとめます。そうして、ご祝儀を渡せば、子供たちはひとしきり、その場でご祝儀のお礼にバロンの舞を披露してくれるというわけ。
みなさんも今月、どこかでこんな「子供たちのバロン」に出会うことがあるかもしれません。ご祝儀を渡せばきっと喜んで、その場で舞を披露してくれますよ。ご祝儀の目安はRp10,000~。あんまり少ないと、あっという間に舞が終わってしまうのも、ご愛嬌です。バリの学校は、7月が年度初めで、今年のこのガルンガン時期(7月5日~7日)は、子供たちは年度末の休暇の時期にあたっています。学校がお休みということもあって、いつもよりたくさんの、子供たちのバロンが町に繰り出すことでしょう。ガルンガンからクニンガンにかけて、バリの子供たちの楽しみ「バロンの行列」、爽やかな季節の中でどうぞ楽しんでください。
ガルンガンとクニンガンが終わると、あちらこちらのお寺でオダラン(お祭り)が始まります。バリの人たちにとっては、忙しい季節の始まりです。
それではまた来月お会いしましょう。サンパイ・ジュンパ~!
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2011-06-23