10月のバリ島 【2011年】

10月のバリ島はどうでしょう?

アパカバール、バリ島ナビです!
涼しく過ごしやすかった乾季も終わり、雨季を前に、バリ島は暑い暑い季節がやってきました。乾季と雨季にはさまれた季節は、とにかく暑いのが特徴。じりじりと照りつける太陽の強烈な陽射し。いかにも、南の島、「バリらしい」お天気が続きます。

トロピカルフルーツの季節でもある雨季を目前に、果物がおいしくなってくるのもこの季節です。本格的な雨季入りはもうちょっと先ですが、空気は確実に湿気を含んできて、雨季が近いことを教えてくれます。
それでは10月のバリ島、ご紹介いたします。

バリ島の気候と天気

【気温】 最高33.6℃ 最低23.7℃
【降雨量】 63mm 平均降雨12日

今月は気温もぐっと上がり、雨が降る日数も増えてきます。本格的は雨季入りはもうちょっと先、とはいえ、乾季にはあまりなかった激しい雨が降ることもあり、季節のかわり目を実感させられる10月のバリ。世界的な異常気象のせいか、最近のバリ島もなかなか以前のような「季節感」が通用しなくなっているようなことが多いように感じます。そのひとつの例が、「果物」。
たとえば、果物の王様と言われるドリアン。これは以前なら、雨季にしか目にすることはありませんでした。早いものは11月くらいから出始め、12月から1月にかけて、道端にドリアン売りが屋台を開く姿は、雨季のひとつの風物詩といっていいものだったのですが、今年はどういうわけか、乾季の間もずっと市場や街中の屋台でドリアンを見かけました。
爽やかなみずみずしさで人気のマンゴスチンにしても、以前なら乾季にはほとんど目にすることはなかったのですが、最近は一年中その姿をスーパーで見ることができます。
北半球の台湾やタイあたりからの「輸入品」ももちろん含まれてはいるのでしょうが、ここバリで果物の採れる季節というのも、微妙にずれてきているような気がします。
とはいうものの、やはりこの季節、10月になると市場の果物売り場はぐっと品数も増え、南の島ならではの、色とりどりの果物が並びます。この、本格的な果物の季節を前にした「ハシリ」の果物のさわやかさ、みずみずしさと言ったら!!「ああ、また雨季が来るなあ」と実感するのは、こんな果物を口にした時かもしれません。
おいしい季節を、どうぞみなさんも、10月のバリ島で体験してくださいね。

バリ島カレンダー

バリの暦
■10月の満月:10月11日
■10月の新月:10月26日
バリ暦4番目の月「サシ・カパット」は10月26日まで。10月27日からバリ暦5番目の月「サシ・クリモ」が始まります。

■10月5日より、ランブット・シウィ寺院(ジュンブラナ)のオダランが始まります。
■10月11日より、ティルタ・エンプル寺院(タンパクシリン)のオダランが始まります。

今月のバリ暦、およびインドネシアの祝日は、ありません。

バリ島知っ得情報

バリ人のおうちにおじゃました時、また、ホテルやレストラン、街中のお店の壁などで、みなさんもこんなカレンダーをごらんになったことがあるんじゃないかと思います。これは、バリ人の日々の生活にとって、欠くべからざるもの、その名も「バリカレンダー」。この「今月のバリ島」でも、毎月、満月や新月、バリヒンドゥーの祭日の予定や、オダラン(寺院祭礼)のスケジュールなどをご紹介していますが、これらはすべて、この「バリカレンダー」をもとにしているんです。今月はみなさんに、バリのフクザツな暦、そしてそれを人々の生活に結びつけるのに重要な役目を果たしてくれている、この「バリカレンダー」についてご紹介したいと思います。
バリの人はみっつの暦の中で生きています。まずは西暦。西暦で祝われるものは、「ニューイヤーズデー(1月1日)」や「インドネシア独立記念日(8月17日)」などですが、実はそれよりもずっとずっとバリ人の普段の生活に密着しているバリの暦があるんです。「サカ暦」と「ウク暦」というふたつのバリの暦。バリの人たちは、この、みっつの暦の中で生活をしているのです。
サカ暦とは、月の満ち欠けを基準とする太陽暦に一年の長さを調節する月を加えたもの。この「今月のバリ島」バリの暦の欄でご紹介している、「バリ暦何番目の月」というのは「サカ暦」のことなんですね。面白いのは、毎年西暦の6月か7月にサカ暦の最初の月がはじまるんですが、年の変わり目、新年となるのは10番目の月、西暦で言うと3月頃の「ニュピの日」。サカ暦によって巡ってくる祭日はこの「ニュピ」のほかに、バリヒンドゥー総本山ブサキ寺院の祭礼などがあります。
サカ暦新年「ニュピ」前日は「オゴオゴ」でバリ中賑やかです。 サカ暦新年「ニュピ」前日は「オゴオゴ」でバリ中賑やかです。

サカ暦新年「ニュピ」前日は「オゴオゴ」でバリ中賑やかです。

そしてもうひとつのバリの暦、ウク暦。これは「暦」といっても、「数の繰り返し」サイクルが順繰りに回ってくる、というもの。35日を一ヶ月とし、その6ヶ月、つまり210日を1サイクルとして、それがぐるぐる回っているわけです。このウク暦は、バリ人の日常生活にとても大切なもので、村の寺院祭礼、ガルンガンやクニンガン、サラスワティの日、などのバリの主だった祭日、そして人の誕生日もこのウク暦、つまりサイクルの中で覚えられます。それぞれの日には、サイクルの組み合わせによって名前(呼び方)があり、毎日のお供え物や、生活の中のタブーなどもこれによって導き出されます。バリ人の生活に、このウク暦は切っても切り離せないものとして深く浸透しているんです。
もちろんこんなフクザツな暦が、バリの人の頭の中にすべて入っているわけではなく、これらはすべて、バリカレンダーに記載してあるんです。なのでバリ人のおうちには、必ずこのカレンダーがあります。一家の主婦はこのカレンダーを見て、「明日は満月だから、満月用のお供え物だわ」「サラスワティの日が来たってことは、そろそろガルンガンの準備の心づもりをしなくちゃ」などと思い出しているのですね。
オダランや毎日のお供え物、これもウク暦のサイクルで決まります。 オダランや毎日のお供え物、これもウク暦のサイクルで決まります。 オダランや毎日のお供え物、これもウク暦のサイクルで決まります。

オダランや毎日のお供え物、これもウク暦のサイクルで決まります。

バリカレンダーの一番の特徴、それは「縦書き」ということ。これ、慣れないうちはとっても見ずらいかもしれません。
数字の一番下に書いてある「Sasih○○○」というのが、サカ暦の何月にあたるかという部分。そのほかにも、数字のまわりに細かくいろんな文字が書き込まれています。これが、それぞれの日が持っている名前のようなものです。ウク暦ではそれぞれの「日」にはそれぞれが持つ名前があり、それが順繰りにサイクルで回っています。そのサイクルの「組み合わせ」によって、その日が持つ「意味」というものが決まります。そしてその「意味」によって、「何々するのにふさわしい日」「何々してはいけない日」というのが決まるのです。日付の数字の上についている赤丸は「満月」、●は「新月」(正確にいえばこれは新月の前の、月がまったくでない夜「暗月」なのですが、ここでは暗月と言う言葉がなじみがないだろうと思い、「新月」という表現を使っています)。数字が赤字になっているのは、インドネシアの祝日。それに対して数字を○で囲ってあるのはバリヒンドゥーの祝日です。ニュピはインドネシアの祝日ですが、ガルンガンとクニンガンはバリヒンドゥーの祝日扱いです。
結婚式やお葬式(火葬式)の日取りも、これによって決まります。バリでは結婚式もお葬式も、「人間に対する儀式」ということで同じ種類のものと考えられます。日本のように「祝儀」「不祝儀」という考え方ではありません。なので結婚式と火葬式が同じ日に、隣同士の家で行われる、ということも、ないわけではありません。(実際にそういうことになったら、村人やお坊さんは大忙しなので、めったにあることではありませんが)。
それでは、「人間に対する儀式」にふさわしくない日というのは、いったいどういう日なのか、と言えば、それは「神様への儀式を行うべき日」。この日には「人間への儀式」を行うことはできません。祖先の霊が還ると言われる、ガルンガンやクニンガンなどの期間は、「神様への儀式を行う時」ということで、こういった人間への儀式は行うことができません。こういったこともすべて、バリカレンダーが教えてくれるわけです。
今の日本ではほとんどの人が気にしなくなってしまったかもしれませんが、かつては日本も、「暦」に基づいた生活をしていました。今でもかろうじて残っているのは「大安」と「仏滅」くらいでしょうか。バリではそれどころではなく、ほぼ生活のすべてにおいて「何々するにふさわしい日」というのがこのバリカレンダーに示されています。特に農作業に関する記載はとてもたくさんあり、「苗を植えるにいい日」「種をまくのにいい日」「水を引くのにいい日」というのから「刈り入れた稲を蔵に納めるのにいい日」などなど、農作業のプロセスに関するそれはそれは細かい記載が、バリカレンダーには示されています。そのほかにも「家を建て始まるのにいい日」「船を作るのにいい日」「商売を始めるのにいい日」「遠出をするのに(旅行するのに)いい日」「引っ越しするのにいい日」「お稽古事を始めるのにいい日」などなど。およそ人々の生活に関する事細かな事柄について、「ふさわしい日」というものが「バリカレンダー」に記載してあるんです。もっとも日本と同じで、最近では、あまり細かいところまではバリ人もそんなに気にしてはいないような気もしますが。
バリ中の寺院のオダラン、祭礼予定も、バリ暦によって決まります。そしてバリカレンダーにはバリの主だった寺院の祭礼の始まる日も書かれています。
こんなふうに情報満載のバリカレンダー。バリ人の生活というのは、まさにこのバリカレンダーがなければ始まらないと言っても過言ではないかもしれません。西暦と違って毎年変わる、バリの暦の祭礼予定を知るには、まずこの、バリカレンダーを手に入れることが一番。そんなバリカレンダー、翌年分が市場に出回るのがまさに10月あたりなんです。
いち早く来年のバリカレンダーを手に入れて、来年のブサキ寺院の祭礼に合わせて、バリ島旅行の計画をたててみる、なんていうのも、いかにも「通」っぽくて、いいんじゃないかと思います。
今月はバリの不思議のひとつ、「バリカレンダー」についてご紹介しました。それではまた来月お会いしましょう。
サンパイ・ジュンパ~!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-09-28

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