インドネシア独特のろうけつ染め・バティックってどんなもの?徹底的にご紹介しましょう!
アパ・カバール、バリ島ナビです!インドネシアの手工芸品として代表的な物の一つが「バティック」と呼ばれるろうけつ染めのジャワ更紗。街で日本人旅行者を見かけると、お土産ショップのイブイブがサルン片手に近寄って来て、「更紗、更紗~?」と営業をかけてきますが、もはや更紗と言われるよりも「バティック」と言ってもらった方がピンとくるくらいに、その知名度は浸透しています。
インド更紗の影響を受けて作られるようになった「バティック」は、ジャワ島で花開き、インドネシアの各地へ広がりました。民族毎で違いがあるものの、各地方の正装はバティックを身にまとうところも多く、バリでヒンドゥー教の儀式が行われる際に巻かれる「サルン」もバティック、そして宗教儀式以外の公共の場所や大きなイベントなどではバティックのシャツがフォーマルな装いとして、民族衣装、洋装ともにいろいろなシーンで活躍していますが、その昔はジャワの王族や貴族しか身につけることができず、王族以外身につけることが許されない模様もありました。そんなバティックがバリへ入って来るようになったのは、金の装飾を施すことがきっかけだったと言われています。もともとバリではバティックは作られていなかったのですが、バリで作られていたのは「カイン・プラダ」と呼ばれる金でモチーフを描く煌びやかな布。今も伝統舞踊のダンサーが身につけています。ジャワで作られたバティックはバリへ運ばれ、バリ独特の金の装飾を施されるようになりました。そして、そのうちバティック職人自体がバリへ移り住み、バリでバティックの生産から金の装飾までを施すようになり、次第にバリにもバティックの文化が根付くようになっていったのです。それがどんどん庶民に広がるにつれて、インドネシアの各地で様々なデザインや色合いのものが生まれ、発展していきました。このようにバティックは工芸品であるだけではなく、インドネシアの文化、風習とも深く関わっているのです。
バティックの素材
そんなバティックにはどんなものがあるのか、まずは素材からご紹介しましょう。
コットン一般的にサルンなどとして使われる綿のバティック。コットンのバティックの中でもより糸目が細いもの(プリミシマ)が高品質とされます。
シルクコットンに比べると肌触りがサラサラし、軽い質感の高級品。
レーヨン安価で気軽に利用できるが風通しが良くない。
染めつけの方法
トゥリス
手描きのバティックのこと。「チャンティン」と呼ばれる器具に熱したロウを入れ、図柄を書き込みます。片面だけに描くもの、両面に描くものの二種類があります。
チャップ(スタンプ)
銅製のモチーフ・スタンプを使ってロウを押しつける方法。手描きのバティックに比べると制作時間がかなり短縮されるので、その分値段が安くなります。とは言えチャップを等間隔で繋ぎ目が分からないようにキレイに押しつけるにも熟練の技術が必要とされます。
コンビナシ(コンビネーション)
手描きとチャップのコンビネーションによるバティック。チャップで連続模様を、そして手描きでディテールを描き込み、どちらか1つの製法で作られたものとは異なった仕上がりになります。
サブロン(プリント)
ろうけつ染めではない、スクリーン・プリントでバティック調のモチーフをプリントしたもの。値段が安く、いろいろなモチーフが作れるので、お土産用などでも多く出回っています。
地方毎の特徴
ジョグジャカルタ
動物、植物及び幾何学的な模様が使われる落ち着いた色合いのバティック。
ソロ
鳥、花をモチーフにしたもの、幾何学模様が使われたものが多い。
チレボン
中国の影響を受けたモチーフが多く、鳥、花、幾何学模様に加えて「メガ・ムンドゥン」と呼ばれる雨雲をモチーフとした独特の図柄が有名。
プカロガン
鳥、花などをモチーフにした明るい色彩が特徴のバティック。
バリ風は?
このように、バティック文化はジャワ島を中心にして花開き、それらがインドネシアの各地方に広がっていきました。バリ島にもたくさんのバティック工房やショップがありますが、そこに並ぶバティックも、もちろん上記で紹介したジャワのバティックたちで、中には職人をジャワからごっそりと呼んでバリでバティックを作っている工房もあるほど。しかし、こんなに多種多様に変化しているバティック。「バリ風のバティックってないの?」と聞いてみたところ、この写真のようなバティックがバリ風だそうです。
作り方
さぁ、バティックの種類をいろいろとご紹介したところで、次は工程をご紹介しましょう!
1. 白木綿の布を洗い糊をつけて、きぬた打ちをして布をなめらかにする。その後、えんぴつで下絵を描く。
2. 輪郭線、イセン(中の細かい模様)の部分をチャンティンで両面ロウ描きする。
3. 白く残る部分(染めたくない所)の両面に ロウを置く。
4. 青色染料(藍など)で染める。
5. 熱湯の中に布を入れてロウを取る。
6.青を残したい部分と、白く残したい部分に再度ロウを置き、次の過程で褐色の染料がかかるのを防ぐ。
7.ソガ染料(褐色)で染める。
8.布を熱湯に入れてロウをすべて落とす。
バティック・アイテムいろいろ
そんなバティックを使ったバティック雑貨、目移りするくらいにたくさんありますよ~!代表的なバティック雑貨のアイテムをご紹介しますね~。
バティックが買えるショップ
バティックはバリの至る所でゲットできます!パサール(市場)に布問屋の並ぶスラウェシ通り、そしてバティック工房が集まるトパティ周辺、バティック専門店もたくさんあるし、雑貨ショップでもバティック・コーナーが設置されていたり。
いろいろな特徴を持つバティック。色や使い方によって楽しみ方は千差万別!あなたも是非インドネシアの伝統的な更紗、バティックを楽しんでみてくださいね~!以上バリ島ナビでした、サンパイ・ジュンパ~!
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2011-10-19