バリ島寺院巡り

バリに息づくバリ・ヒンドゥー教の寺院をまわってみよう!

アパ・カバール、バリ島ナビです! 「神々の島・バリ」「千の寺がある島・バリ」と呼ばれるバリ島の由縁は、バリ島人口のおよそ90%の人々が信仰する「バリ・ヒンドゥー教」。観光名所として外国人が押し寄せ、近代化が進む街の中でも、各村、各家庭、島のいたるところにバリ・ヒンドゥー教のお寺が静かに佇み、あちらこちらにお供え物が供えられ、毎日どこかしらでお祭りや宗教行事を見かけることができる神秘的な島の情景は世界中の人々を惹きつけてやみません。そんなバリ・ヒンドゥー教の代表的な寺院で、かつツアーなどに組み込まれることの多い、旅行者の皆さんが訪れやすい寺院をいくつかご紹介したいと思います~!

タナ・ロット寺院(Pura Luhur Tanah Lot)

まずはサンセットの美しい「タナ・ロット寺院」。「海の上の土地」を意味するタナ・ロットは、満潮時にはお寺の周りに潮が満ちて、まるでお寺が海の上に浮かんでいるように見えるフォト・ジェニックな寺院。映画「エマニュエル夫人」の舞台にもなりました。とにかくサンセットの時間帯の美しさは言葉を失くすくらいに抒情的で、500年前にジャワの高僧ニラルタが歩いてこの地に辿りついた時、真っ赤に焼けた空に、現在寺院がある岩の上から光が放たれているのを見て寺院を建立したという言い伝えがあるくらい、大昔からサンセットの名所。
寺院手前にはサンセットを心ゆくまで眺められるように、いくつかのカフェが並び、ココナッツ・ジュースを飲みながら夕日が沈んで行くのを見つめるのが定番コース。しかし!夕日の名所なのに、晴天の日が少ないのが残念なところ。なぜかタナ・ロット寺院に行くと、ちょっと曇っていたりすることがしょっちゅう。キレイなサンセットをみることができたなら、それはとってもラッキー!もし曇り空だったとしてもあまりガッカリしないでくださいね。そしてバリの若者の間では、カップルでタナ・ロット寺院へやって来ると、別れてしまうというジンクスもあります(真偽のほどはわかりませんが…)
タナ・ロット寺院へ行くなら、名物「クロポン」も是非試してみて!パンダンで色づけされた緑色のお餅の中にはパーム・シュガーの液状のものが入っていて、ココナッツ・フレークをまぶしてあるバリのお菓子。食べる際には必ず丸ごと口の中に放り込んでくださいね。噛むとピューッ!とパーム・シュガーが噴き出します。サンセットの時間に合わせてケチャッ・ダンスの公演も毎日行われています。

ウルワツ寺院(Pura Luhur Uluwatu)

「タナ・ロット寺院」と同じくサンセットが美しいことで人気なのはバドゥン半島の先端に位置する「ウルワツ寺院」。ジャワの高僧ニラルタがバリで最後に訪れ、しばらく過ごしたと言われるこのお寺は、ヒンドゥー教がバリに入って来る前から、海の霊を祀るために建てられたアミニズムの聖地であったと言われる名刹。崖下70mの断崖絶壁に建つウルワツ寺院からはインド洋の絶景が眺められ、そのパノラミックな景色はため息が出るくらい。
ウルワツ寺院の名物と言えば「サル」。寺院の敷地内にはいたるところにサルがいるのですが、これがちょっと凶暴!知らずにやってくる旅行者にイタズラをする困りものなのです。ツアーで訪れる場合には、ウルワツ寺院観光へやって来て、車から降りる前にガイドさんが「サングラスやメガネ、時計やネックレスやピアスなどの光るものはなるべく身につけないで下さい。荷物は少なめに口が閉まるものを」と言ったなら、それは決してオーバーな話ではありません!ウルワツのおサルさんたちは本当に光るものが大好きで、身につけているアクセサリーが光るとそのままむしり取ったり、帽子やサングラスを持って行くこともしょっちゅう。(で、そのサングラスをバリバリ食べたりするんですよ~!)ナビもバッグの中に手を入れられたこともあるし、ミネラル・ウォーターのボトルのフタを開けて、ゴクゴク飲んだりなんてことも。しかし、寺院内にはサルを監視して威嚇してくれるおじさんもいます。
そんなに暴れん坊のサルがいてもなお訪れたくなるウルワツ寺院ですが、実は寺院自体はとても小さいのです。ウルワツ寺院にここまで多くの旅行者が訪れる理由は、少し離れた場所からインド洋に突き出すメル(塔)の美しさとサンセットに他ならないのです!サンセットの時刻には、インド洋を横目で眺められる場所に設置されたステージで、刻一刻と雄大なインド洋に沈んでいく大きくて真っ赤な夕日を眺めながらケチャッ・ダンスが演じられ、毎日大勢の観客がやってきます。そしてウルワツ寺院のサンセット・ケチャッの後は、ジンバランのイカン・バカールのディナーが定番中の定番コース。初バリさんにもオススメのコースです。
サンセットを横に、ケチャッ・ダンス。

サンセットを横に、ケチャッ・ダンス。

迫力あります!

迫力あります!

その後は、定番のジンバラン・カフェへ。

その後は、定番のジンバラン・カフェへ。

バリ島寺院巡り お寺 寺院 バリ・ヒンドゥー タナ・ロット寺院 ウルワツ寺院 タマン・アユン寺院 ティルタ・ウンプル寺院ブサキ寺院

タマン・アユン寺院(Pura Taman Ayun)

次にご紹介するのは、「バリで一番美しい寺院」と言われる「タマン・アユン寺院」。その昔ムングウィにあった王国が作りあげたバリにある寺院の中でもブサキ寺院についで大きな寺院。17世紀初めに起こったブレレン国との戦争で疲れ果てたムングウィ国王が瞑想を行っている間に、あちらこちらに散り散りになっているデワ(精霊)を集めて祀るようにとの神からのお告げで建てられたお寺です。広々とした庭を有するタマン・アユン寺院は、バリでは珍しく周りが堀で囲まれていて、11層のメルが4つ、9層のメルが2つ、7層のメルが1つ、5層のメルが1つ、3層のメルが1つと、9つのメルがデワを祀っています。境内と堀の内側に配された歩道をぐる~っと周りながら、美しいメルの佇まいを鑑賞することができます。また、堀の西側には博物館もあり、バリ・ヒンドゥー教の儀式の様子などが展示されています。

ティルタ・ウンプル寺院(Pura Tirta Empul)

「聖水のお寺・ティルタ・ウンプル寺院」は聖なる川「パクリサン川」と呪いの川「プタヌ川」に挟まれた場所にあり、パクリサン川からの水が泉となって湧き出る寺院です。魔王によって殺された神々が、このティルタ・ウンプル寺院の聖水で蘇ったという神話が残り、「浄化」「解毒」「魔よけ」の3つの聖水がこの泉にあると言われています。泉の脇には西暦960年にインドラジャヤ・シンガ・ワルマデワ王が作ったと碑が残っていることからも、バリ島にヒンドゥー教が入って来る前に建てられたことがうかがえます。
聖水の湧き出る泉のすぐ近くには沐浴場もあり、祈りを捧げて「ムルカット(沐浴)」で身を清める人々が毎日バリのいたるところから訪れています。また、寺院脇の小高い丘の上にはスカルノ元大統領の別荘(一般公開されていません)があり、別荘から沐浴をする人々を眺めていたそうです。ウブド観光やキンタマーニ観光の際に立ち寄ることができ、静かで落ち着いた美しさと、敬虔なバリ・ヒンドゥー教徒が真摯に沐浴をする姿を目にすることができるお寺です。

ブサキ寺院(Pura Besakih)

最後にご紹介するのは、バリ・ヒンドゥー教の総本山「ブサキ寺院」。聖なる山「アグン山」の中腹にある「ブサキ寺院」は、バリ・ヒンドゥー教の3大神を祭る寺院をはじめ、大小30余りの寺院から成る複合寺院の総称です。もともと8世紀ごろには仏教僧の修行の場だったのが、16世紀のゲルゲル王国時代に王家の寺院として使用されるようになり、以後、急激に繁栄を極めました。1917年のバリ島南部大地震の影響に より呪術、宗教儀礼が活発となったため、当時のオランダ植民地政府はバリ文化の保護者としての立場を内外に示すために、ブサキ寺院を文化復興のシンボル的存在と位置づけ、その復興を重視しました。同じ頃旧王族を中心にブサキ寺院の儀礼体系を再構築したこともあり、ブサキ寺院は総本山的地位を占めるようになりました。
バリ・ヒンドゥー教の3.神を祀る本殿のほか、何層にも積み重なった大小さまざまなメル(塔)が立ち並ぶ姿は壮観で、多くの旅行者が「滞在中に一度は訪れてみたい」と思う場所ではあるのですが、問題点が一つ。寺院内に入るには、入場料のみを払うのではなく、ブサキ寺院にスタンバイする地元ガイド以外は案内ができません。旅行会社のパッケージ・ツアーでブサキ寺院を訪れたとしても、ガイドさんは同行できずに強制的に現地ガイドに引率され、見学の途中に高額なお布施を要求されたり、「特別な場所に入れてあげる」と言われ、出てきた後に「あそこに入るには別途入場料がかかる」と法外な入場料を要求される場合も。こういった理由から、旅行会社ではブサキ寺院観光を行っていない、もしくはリクエストがあってもオススメしないところも多くあります。「せっかくバリに来たのだから、どうしてもブサキ寺院は見ておきたい!」という方、もちろんブサキ寺院の見学は可能です。その場合はこのようなトラブルが起こる可能性だけ事前に分かった上で参拝に行って下さいね。ナビも先日久しぶりにブサキ寺院を訪れましたが、やはり現地ガイドを付けなければ中に入れないと言われました。(その際言われたガイド料は10万ルピア(約1000円)でした)

参拝時の注意

バリの至る所にあるお寺は、それぞれの役目を持ち、深くバリの人々と結びついています。観光地として旅行者に開放されている寺院の多くは、現在もバリの人々にとってはとても重要な寺院ばかり。神聖な寺院内に足を踏み入れる際には、いくつかのルールがあります。
ここで一般的な寺院参拝時の注意点をご紹介しましょう。

1. 肌の露出をしない

2. 帯と腰巻もしくは正装

3. お祈りの人の邪魔をしない

4. 本陣に入らない

5. 生理中や出血のある人は入らない


参拝方法は、場所によって若干異なる場合もありますが、寺院内ではマナーを守り、参拝者の邪魔にならないよう注意してくださいね。

バリ・ヒンドゥー教の代表的な寺院5つをご紹介しましたが、冒頭でも述べたように、バリには数えきれないほどのお寺があり、バリ・カレンダーに基づいた周期で様々なお祭りや行事が周ってきます。バリ滞在中に偶然お祭りや宗教行事に出くわしたりすることもあるかもしれません。そんな時は見学してもいいか、聞いてみて下さい。フレンドリーなバリの人々は、ルールを守れば歓迎して迎えてくれることもしばしば。「神々の島・バリ」と言われる由縁を、皆さんで実感してみてください。以上バリ島ナビでした、サンパイ・ジュンパ~!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-02-17

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